動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年01月12日

地域猫、広がる理解 山形・みしま町内会、活動開始から1年

山形新聞


山形市中心部のみしま町内会が地域猫活動を始めて1年余りが過ぎた。保護した猫は約30匹に上り、子猫の譲渡も進んだ。地域で野良猫を管理しようという取り組みは共感を呼び、飲食店街を抱える周辺の地域にも広がっている。

 「人懐っこい子で良かった」。活動の代表相橋恭子さん(67)は表情を和らげた。市内の飲食店で昨年11月中旬、白い子猫を店主の60代女性に譲渡した。女性が手を差し伸べるとするりと飛び移り、肩によじ登った。

 女性は相橋さんが保護する様子を見掛けて譲ってほしいと申し出た。「とても元気だね」。真っ白な毛並みをなでてほほ笑んだ。

 活動は2016年11月に始まった。ふんや尿の苦情などを元に籠を仕掛けて保護し、不妊去勢手術とワクチン接種を行う。大人の猫は地域に戻し、餌場を限定するなど管理する。子猫は有志に託し、譲渡先を探す。約20人が役割を分担して取り組んでいる。むやみに餌を与えないという約束事も住民に根付いてきた。

 近接する七日町地区にも活動は広がった。相橋さんたちの協力を得て17年夏から3町内会が餌やりの防止などに取り組んでいる。飲食店が多く「猫対策は衛生面、景観面で課題だった」と料亭関係者は話す。文化施設や教育施設のある地域からも問い合わせや勉強会の依頼が届いている。

譲渡された白い子猫。新たな飼い主の肩にするするとよじ登った=2017年11月、山形市内
譲渡された白い子猫。新たな飼い主の肩にするするとよじ登った=2017年11月、山形市内
 県村山保健所のまとめでは、16年度に県内で757匹の猫が殺処分され、うち98匹が山形市域だった。特に子猫は動物愛護センターに収容されても命を落とす例が多いという。みしま町内会は保護した子猫6匹全てを新たな飼い主につないだ。預かっていられる頭数に限界はあるが「活動は殺処分の抑制につながるはずだ」と感じている。

 活動を通じて地域の雰囲気も変わったという。顔を合わせる機会が増え、あいさつする関係が広がった。高齢者の1人暮らしや空き家など地域の課題も共有されていった。「人が集まれば何かが変わるという自信になった」。地域を良くすることがこの活動の意義だと相橋さんは考えている。

 みしま町内会は昨年、山形新聞社のクラウドファンディング「山形サポート」で資金募集に挑戦し、目標金額を上回る80万5千円を集めて地域猫活動の経費に充てた。

◆地域猫活動 野良猫に不妊去勢手術を行い、地域ぐるみで世話する取り組み。繁殖を防ぐとともに、保護した猫の新しい飼い主を探して安全な飼育につなげる。餌や排せつ物を住民たちで管理していくため、地域の理解が欠かせない。手術をして地域に戻すまでの活動は「TNR(トラップ・ニューター・リターン)」と呼ばれる。

27日、山形で講演会
 市の市民活動支援補助金(公開プレゼンテーション補助)事業の一環で、みしま町内会は県獣医師会と共に1月27日午後1時半、市内の遊学館で講演会を開く。「『地域猫』のすすめ」の著者・黒沢泰さん(神奈川県動物愛護協会常任理事)が講師を務める。問い合わせは相橋さん023(622)5840。


posted by しっぽ@にゅうす at 08:20 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする