動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年02月13日

小さすぎる子犬達…飼い主さんに考えてほしいこと

Yahoo! JAPAN

犬は小さいほど高い
ミニチュアダックスフンド

今日本で流行っている犬種は、やはり小型犬です。動物病院に来院する患者さんのほとんどが小型のワンちゃんです。
同じ犬種でも、小さい子もいれば体の大きな子もいます。それは人と同じで、遺伝や生活環境によって変わります。「小さければ小さいほど高い犬だから、大きくなる事はダメな事。」…そんな間違った考えから愛犬を命の危機に晒す事もあります。

低血糖の「ガリガリプードル」
プードルの子犬

夜間救急の動物病院に勤めていた時の出来事です。

「生後1ヶ月位のプードルの子犬で、さっきまで鳴いていたのに急に倒れて痙攣を起こしている。」

と、深夜に電話がかかりました。

すぐに連れてきてもらい診察を行うと、ガリガリに痩せていて体も異常に小さく毛の艶もありません。自宅で生まれた子犬だという事でしたが、その姿は私の目から見ると異常なぐらい痩せていました。

すぐに緊急の処置を行いましたが、栄養不足による低血糖でした。すぐに糖分を与え、意識は戻りましたが栄養状態が悪い事から朝まで入院する事になりました。
その事を先生から飼い主さんに伝えると、「しっかりご飯はあげていました。」と答えます。しかし、その後の言葉に私達は驚いてしまいました。

「この子のお父さん犬もお母さん犬も体が大きく育った。この子は小さく育てたいからご飯の量減らしてあげていたからからですかね?」

小さく育てる為にご飯の量を減らせば、子犬が栄養不足から低血糖になるのは当たり前です。話を聞いていると、ずっとお腹が空いていたのかごはんを食べ終わっても器を舐めていたり、空腹から食糞もよくしていたそうです。
処置が早かったため命は助かりましたが、この状態が続いていれば確実に亡くなっていました。先生からは「今の時期はしっかりご飯は食べさせてあげて下さい」と飼い主さんに伝え、子犬は朝退院しました。しかし 、疑問の残る出来事でした。

初心者の飼い主さんがよくする「間違った食事の与え方」
ご飯を食べる子犬

動物病院に勤めていると、初めてのワクチンや2回目のワクチンに子犬がやってきますが、身体検査をして体を触ると、時々痩せてあばらが浮いている子がいます。
痩せていることについて飼い主さんにお話を聞くと、「食事はきっちりペットショップやブリーダーの指示通り与えているのになんで?」と口にします。ブリーダーさんに言われた通りの分量で言われた通りの回数を与えているし、時には栄養剤やサプリメントも一緒にあげている方もおられました。

こういった方々の子犬が痩せてしまう原因は、指示通りの分量をずっと与えればいいと勘違いし、ずっと同じ量を与え続けているからです。子犬は日々大きくなります。ずっと同じ量だと痩せていくのは当然なのです。それとは逆に「〇グラムずつ増やして下さい。」といわれてそれをそのまま実行する方もいますが…。

子犬の成長はみんな同じではありません。フードの袋に書かれている量は目安量なので、それを参考にして体重や様子をみながら調節してあげて下さい。

体の小さな犬のデメリット
毛布にくるまる子犬

ペットショップに勤めていた知人の話では、一部のペットショップやブリーダーでは大きく育たないよう餌の量を減らし売っている事もあるそうです。それはより「小さいほうがよく売れ、高く売れるから」という理由からです。

ただでさえ子犬の抵抗力は強くありません。痩せていると病気にかかるリスクは高くなります。感染症予防のワクチンや駆虫をしていても、全くかからない訳ではありません。しっかりとした栄養状態の子犬なら、もし感染してもそれを耐えれる体力がありますが、痩せて体力のない子犬だとそれに耐えられない事もあります。大人とは違い、少しの下痢や嘔吐で命の危機に晒してしまうこともあります。

また、痩せすぎている犬は骨の成長も悪く、ちょっとした事で骨折してしまうこともよくあります。生まれて数ヶ月の犬の骨折は、手術をしても障害が残ってしまったり、酷い場合は断脚するという事にもなりかねません。

無理に小さな子犬を作るという事は、こういった危険に晒しているという事です。

最後に
子犬3匹

確かに小さな犬は見た目がかわいいのも解ります。でも大きくなるはずの子犬をご飯を減らして小さな犬にしても、痩せて不健康になるだけで何の意味もありません。

子犬は成長して大きくなるのは当たり前のことです。日々成長します。どうしても体重が増えなかったり食事を食べないなどの不安な事があれば、遠慮なくかかりつけの先生に相談してみて下さい。

また、「小さな子が流行り」などの考えはそろそろ終わりにするべきだと思います。ペットショップやブリーダーもニーズがあるためをこういった事をするのであって、私達飼い主の気持ちが変わればそんな必要も無くなります。買う人がいるからいつまでも変わらないのです。家族に迎える子が健康で楽しい毎日が送れるのであれば、大きい・小さいは全く関係ありません。



posted by しっぽ@にゅうす at 08:11 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする