動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年02月14日

「牛」と「鹿」では事故の時の保険金が異なるってホント!? 野生動物との事故事情

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クルマに長年のっている人であれば一度くらいは道路上で野生動物と遭遇したなんてこともあるだろう。担当もタヌキと接触してしまったことがあるが、北海道では鹿との接触事故が多発している。

 そんな動物との接触事故「ロードキル」について気になる話がネット上で話題になった。それが人間の飼育下にある家畜と、野生動物では「ロードキル」時に保険金がおりる、おりないという問題になるという。そんなことがあるのか!? 今回は保険会社に確認してみました。鹿だけにシカたない、ではすまない問題です。

文:ベストカー編集部/写真:Shutterstock.com
ベストカー2018年2月26日号

「牛」と「鹿」では事故の時の保険金が異なるってホント!? 野生動物との事故事情
エゾシカは大きな個体で150kgにもなり、衝突すればかなり危険だ
「ロードキル」には保険金がおりる
 某有名ニュースサイトの記事『鹿のロードキル減少に効果のある装置開発』という記事についていたコメントがちょっと話題になっている。「乳牛と事故を起こした時は自動車保険が出るけど、野生の鹿だと自動車保険が出ないって知ってる?

 ひと月で両方に当たったことがある北海道人です」という内容のコメント。このコメントに「ウソ? ホント?」と、メインの話題そっちのけで盛り上がる盛り上がる。気になって仕方がなくて、ついつい調べてしまいました。

 まず聞き慣れない言葉の「ロードキル」。これは道路上で発生する、クルマが関係する野生動物の死亡事故のことをいいます。さてそんなロードキルにおいて、乳牛などの家畜と、鹿などの野生動物と衝突した場合で、自動車保険の保険金の支払いに違いがあるのか? 本当のところを、損害保険業界大手の東京海上日動の広報部に聞いてみました。

 「一般的に、何かとぶつかってご自分のクルマを修理する場合に使うのは『車両保険』になりますが、ぶつかったものが野生動物でも家畜でもその扱いに違いはありません」

 ではなぜ、あのコメント投稿者は違いがあると書いたのだろうか?

 「違いがあるとすれば、賠償請求されるか、されないかだと思います。衝突した家畜やペットがケガや死亡した場合、その所有者の方から賠償請求をされることがあります。その時は『対物賠償責任保険』から保険金をお支払いします。しかし野生動物の場合、誰かが飼育している訳ではありませんので、賠償請求をしてくる相手がいません。ですので、保険金をお支払いすることがありません」

 なるほど。では車両保険に入っていれば、自分のクルマを直すための保険金は支払われるのだろうか?

 「車両保険では、クルマ以外のどんな物とぶつかっても補償されるタイプと、クルマ同士でぶつかった時しか補償しないタイプと補償範囲を選択することができます」

 このクルマ同士の場合のみを補償する保険は、一般的に「エコノミー型」といわれるが、野生動物との事故は、ガードレール・電柱に衝突するのと同じ単独事故扱いとなるため、補償の対象外になってしまうそうだ。

 編集担当が疑問に感じた、コメント投稿者の言う「違い」は賠償金のようだ。しかし、自分のクルマを直すための保険金に関しても、プランによって違いが出ることは知らなかった。あとで、自分のクルマの契約も見ておこう……。

そもそも北海道では乳牛と事故が起きるの!?
さて疑問は解消されたのだが、コメント投稿者(北海道)はひと月の間に、鹿と乳牛にぶつかったと書いている。北海道では、そんなに家畜と衝突する事故が多いのだろうか? そこで、道内で発生している事故件数を把握している、北海道警察交通企画課にその実態を聞いてみた。

「道内で発生する動物が絡んだ事故で多いのは、やはりエゾシカですね」

 道警が集計しているデータによると、エゾシカが関係した交通事故件数は2016年だけで、なんと1936件も発生。最も多いのは釧路湿原が有名な釧路エリアで391件と他地域をぶっちぎっている。エゾシカの多さはわかった。では乳牛と衝突したという事故報告は聞いたことがあるのだろうか?

「私は、乳牛と衝突したという事案については聞いたことがありません。動物別に集計された2017年の死傷事故件数データの『その他』に入っているかもしれませんが、ぶつかった動物が特定できなかった案件で、鹿や熊なども含まれていると思いますので、明確にお答えすることはできません」

 ん〜、では事故で使われる自動車保険に関する情報をまとめている、日本損害保険協会北海道支部ならば聞いたことがあるだろうか!? 担当者に聞いてみた。

「残念ながら、私も聞いたことがありませんね。基本的に柵の中で飼育されているものなのですからね」

 確かにおっしゃるとおりです……。もっと広範囲に調査をできれば、ぶつかったことのある人物に出逢うこともできるかもしれないが、残念ながら時間が足りなかった。この記事を読んで、乳牛とぶつかった経験があるという読者の方、ぜひシチュエーションを教えてもらえればと思います。

 ここまでは北海道にフォーカスしたが、ロードキルは全国の一般道・高速道路で発生している。NEXCO東日本によると、2014年に管内の高速道路で発生したロードキルは約1万9800件。単純計算すると、約54件/日も発生していることになる。ほかの地域も合わせれば、その数はもっと膨らむことになる。

 こんな誰でも被害に遭う可能性があるロードキルだが、野生動物を轢いてしまった場合、どうすればよいのか? JAFによると、衝突した時にまずやるべきは警察に連絡することだそうだ。これは任意保険を請求する際に、事故証明が必要になるためだ。次に衝突した動物が生きている場合、衛生面や安全面から素手で動物を触らないように注意しつつ、タオルや段ボールで保護し、費用はドライバーの負担になるが、動物病院や保護施設に運ぶことを推奨している。

 動物が死亡している場合は、二次被害を防ぐため、交通の妨げにならない路肩に動物を移動させることが大切だという。もちろん素手で接触するのは避けたい。高速道路や幹線道路の場合は、道路緊急ダイヤル「#9910」にかけてもらいたい。


posted by しっぽ@にゅうす at 08:23 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする