動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年06月27日

猫の多頭飼育崩壊 ゴミ屋敷化→近隣トラブル…の負の連鎖、ボランティアの二次破綻も

産経WEST



空前の猫ブームといわれる一方で、猫の多頭飼育崩壊が社会問題化している。不妊・去勢手術をせず10匹、20匹と増やし続け、飼育不能→ゴミ屋敷化→近隣とトラブル−というのが典型的な流れだ。崩壊後の対処は、猫保護ボランティア団体が中心となって担っている。しかし負担は増大するばかりで、ボランティアの“二次破綻”も懸念される。(服部素子)

犬と猫の多頭飼育が引き起こした問題
犬と猫の多頭飼育が引き起こした問題
 平成28年3月、猫40匹、未手術▽7月、猫22匹、未手術(室内に複数の猫の死骸。飼い主が認知症のため施設へ、20匹以上が室外へ放たれる)−。兵庫県尼崎市の猫保護活動団体「キャット・オペレーション・ネットワーク(C.O.N)」の記録の一部だ。28年度に11件の相談を受け、200匹超の猫を確認した。

 「崩壊の第一要因は不妊・去勢手術の未実施。繁殖の知識が飼い主にないことや、高い手術費、地域からの孤立が背景にある」とC.O.Nの三田一三(さんだ・ひとみ)理事長(82)は話す。

 典型例として三田さんが挙げたのは、病気を抱えた高齢夫婦のケース。拾った1匹の猫が妊娠し、次々子猫が生まれ、1年半で30匹を超えた。転居するが、飼えない−との内容だ。

 ボランティアが猫の不妊・去勢手術を行い、譲渡先を探すためノミ駆除やワクチン接種なども実施。約47万円の医療費は個人負担し、譲渡できなかった猫を手分けして引き受けた。

 こうした話は特別ではない。犬と猫の「殺処分ゼロ」が継続中の神奈川県で活動する猫保護団体「たんぽぽの里」(相模原市)の石丸雅代代表(53)は、昨年9〜12月、県下6カ所で起きた多頭飼育崩壊の現場に同県や相模原市の行政担当者と同行、140匹以上の猫を救出した。

このケースでも、譲渡先が見つからなかった猫をボランティアが引き取った。石丸さんは「ボランティアだけで対処するのは間違いで、多頭飼育崩壊が続けば、今後、ボランティア団体の運営破綻がどこでも起こり得る。行政が飼い主に適切な指導を」と訴える。

 多頭飼育崩壊で保護された猫は、劣悪な飼育環境下にいたため病気を持っていたり、人に対する警戒心が強かったりするなど譲渡会に出せない場合も多い。ボランティアは、殺処分から救おうと自費で治療したり、自宅で飼育したりしているが、限界がある。

 問題は全国的な広がりを見せ、自治体も対策を講じ始めた。環境省が28年度、115の地方自治体に「動物愛護管理法の施行状況調査」を行ったところ、2千件を超える苦情が寄せられていた。

 尼崎市は、所有者不明の猫について不妊・去勢手術の助成を目的に設けた「動物愛護基金」の対象を拡大。経済的事情のため多頭飼育に陥った飼い主についても今年度から補助する。また神奈川県は、県動物愛護条例に「届け出制」を盛り込むことを検討中だ。

 三田さんは「多頭飼育崩壊は猫の問題と思われがちだが、実は孤立した高齢者など『人』の問題。行政の社会福祉部局や地域の人たち、ボランティア団体が情報共有し、多頭飼育を未然に防ぐ仕組みづくりが必要だ」と指摘する。


posted by しっぽ@にゅうす at 07:08 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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