動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年07月09日

<天売・羽幌 オロロン鳥の現在地>中 野良猫対策 営巣に効果

北海道新聞



天売島の市街地近くで最近、ウミネコの新たな営巣コロニーが確認された。環境省羽幌自然保護官事務所保護官の竹中康進(やすのり)さん(41)は「野良猫対策の成果ですよ」と語る。貴重な海鳥が飛び交う天売の自然環境を守るため、野良猫を捕獲する取り組みが始まって4年目。ピーク時200匹以上いた野良猫は現在、10匹前後まで減った。

■捕獲して譲渡

 対策は環境省や留萌管内羽幌町、島民団体などでつくる「人と海鳥と猫が共生する天売島連絡協議会」が担う。捕まえた猫は「天売猫」と呼ばれる。飼い猫が野生化したもので、再び人にならして新たな飼い主に譲渡する。殺処分をせず、啓発活動に結びつける「天売猫方式」は、道内外の動物愛護団体からも注目されている。

 島外に運び出した天売猫の飼育拠点となっているのが羽幌町中心部にある北海道海鳥センターだ。国内唯一の海鳥専門施設として1997年にオープン。昨年の20周年記念シンポジウムでは施設の役割について「さまざまな環境問題に取り組むハブ(車輪の中心)であってほしい」と期待する声が上がった。竹中さんは「海鳥に限定せず、豊かな自然や動物を守りたいという思いがつながる場所。つながることで大きな力が出せる」と指摘する。

■活動担う70人

 天売猫対策もセンターがハブとして機能している。町内外に約70人の登録ボランティアがおり、自宅での人なれ訓練を引き受けたり、センターで猫の世話を手伝ったりしている。旭川市旭山動物園や酪農学園大(江別市)にも持ち込まれ、啓発活動や飼育実習などに一役買っている。ボランティアとしてセンターに通う羽幌の主婦梅原清美さん(51)は「譲渡先から写真が送られてくると、うれしくなる。新しい飼い主のもとで幸せに暮らしているんだなって」。

 捕獲事業が本格化した2014年秋から15年にかけセンターには20匹以上の猫がいた。現在は4匹。茶色い雄の虎猫(推定13歳)は天売の天から「テン」と名づけられ、マスコット的な存在になっている。センター職員の石郷岡卓哉さん(44)は「テンちゃんに会いに来る来館者も少なくない。猫を通じて環境問題に関心を持ってもらえれば」。

 野良猫が減った一方、ネズミ被害が増えた。海鳥を捕食したり、漁具をかじったり、畑を荒らす被害が出たりしている。漁業兼旅館業の萬谷良佳(よろずやりょうか)さん(60)は「海鳥のおかげで観光客や研究者が島にやってくる。だから保護活動には協力している。でもね何事もバランスが大事なんだね」と活動の難しさを自らに言い聞かせるように語った。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:00 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする