動物 しっぽニュース
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2018年08月10日

札幌・円山動物園 30種の飼育将来撤退 最適な環境考慮

北海道新聞



札幌市円山動物園は、開園100年目を迎える2050年までの長期的な基本方針「ビジョン2050」の原案をまとめた。動物にとって最適な飼育環境を確保するため、本来の姿での展示が困難なブチハイエナなど約30種を将来的に飼育をやめる「撤退種」に位置付けた。一方、オオワシなど道内に生息する動物を保存、展示する「北海道ゾーン」の新設を計画する。

 円山では15年度、マレーグマをはじめ動物が死ぬ事故が相次いだ。不適切な飼育が原因とみられるものもあった。

 ビジョン2050は「生物多様性の保全」「自然の大切さと動物の魅力を伝える」という二つの基本理念を掲げる。事故の再発防止に向けて飼育方法を改善し、動物園のあり方を根本的に見直す具体策として、撤退種などを盛り込んだ。

 飼育している中型以上の動物は約170種。このうち30種の撤退種は、本来の姿を見せるために必要な飼育面積の確保が難しかったり、個体の入手が困難だったりする動物とした。

 原案では、4種の動物を例示した。シンリンオオカミ、ブチハイエナは「飼育面積が小さく、走り回る場所がほとんどない」(飼育展示課)。クロザルは国内動物園での飼育数が少なく、新たな個体を入れることが難しいという。ゼニガタアザラシは飼育施設の跡地を北海道ゾーンに転用するために、飼育を取りやめる。

 オオカミは雄3匹、他の3種は各1匹いる。希望があれば、飼育環境が整った動物園に譲渡するほか、死んだ後に新たな個体を入れないなどの方法で減らしていく。

 一方、保全が必要なオランウータンやホッキョクグマなど約60種は積極的に飼育・繁殖に取り組む「推進種」に分類する。ライオンなど他の動物は、現在の環境で飼育する「継続種」とした。

 加藤修園長は「(限られた敷地で)現在飼育している全ての動物に、適切な環境を与えるのは難しい。動物の命をつなぐためにも、具体的な飼育計画を示すことが重要」と説明する。

 北海道ゾーンは、園にいるオオワシやエゾリスなど道内に生息する動物を集約して展示する。北海道の動物への理解を深めてもらい、保全活動にも取り組む。フンボルトペンギンなど南米の動物を飼育する「南米ゾーン」も新設する。

 12月に市民から意見を公募し、来年2月に策定する予定。(石川実和)


 <ことば>札幌市円山動物園 1951年、道内初の動物園として札幌市中央区宮ケ丘3に開園した。敷地面積は約22ヘクタール。2017年度の入園者数は81万3047人で、道内の動物園では旭川市旭山動物園に次いで2番目だった。今秋、ミャンマーからアジアゾウ4頭が来る予定で、11年ぶりにゾウの飼育が行われる。
posted by しっぽ@にゅうす at 03:00 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする