2012年度から犬殺処分ゼロの仙台市は市動物管理センター(宮城野区)が飼い主への説得や譲渡に当たる。猫もかつて2000匹を超えたが、17年度初めて300匹を下回った。生後間もない野良猫の子が大半で、センターは不妊や去勢の徹底を呼び掛ける。
17年度、犬110匹を収容。うち83匹を飼い主に戻し、20匹を譲渡した。残りは世話をしながら新たな飼い主を探している。
猫は695匹のうち351匹を譲渡、277匹が殺処分された。病気やけがで手当てしても成長が見込めない子猫も多いという。
猫の処分を減らそうと市と市獣医師会は本年度、不妊・去勢手術の助成額を雄4500円、雌9000円にそれぞれ1.5倍に増やした。飼い主らの費用負担軽減によって望まれない妊娠の防止を狙う。
市はまた、ふるさと納税の使途メニューに「動物愛護の推進」を追加。手術助成や譲渡を待つ犬猫の治療やワクチン接種に充てる。
センターの小野寺順也所長は「譲渡の推進やペット業者への規制強化では限界がある。未手術の野良猫を減らさないと処分ゼロは不可能だ」と指摘する。
強い攻撃性や重篤なけがで、譲渡に向かない犬や猫の対応も課題の一つ。
センターは、交通事故で半身不随になり前脚をかむ自傷行為を続ける犬を保護している。ある職員は「このまま生かし続けるか、安楽死させるべきか。餌や治療の費用もある。何が最善なのか」と苦悩する。