動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年12月30日

「遺されたペット」が不幸にならないためにあなたができること

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わが子に頼るのは危険
 「亡くなった飼い主と一緒に見つかった猫(15歳・メス)は、ひどく衰弱していました。約1週間、トイレの水を飲み、命をつないだようです。

 その後、無事に保護されましたが、ダメージは残りました。猫は普通、少しずつ餌を食べますが、飢餓状態を味わうと、一気にがっつくようになるのです。空腹で猫砂を食べることもありました」

 そう語るのは、動物愛護団体「ランコントレ・ミグノン」の代表、友森玲子氏だ。伴侶に先立たれた後、寂しいからという理由でペットを飼い始める人は多い。

 ひとりと一匹で暮らし始めた人たちにとって最大の心配事が、「自分の死後、この子たちはどうなってしまうのか」ということだ。

 実際、老いたペットを老いた飼い主が飼う「老老愛育」で先に飼い主が亡くなり、ペットが不幸な運命をたどるケースが多発している。友森氏は語る。

 「飼い主に悪意はなくとも、ペットが犠牲になってしまう。遺された家族がいても、飼うのを押し付け合うことも多い。

 孫は成長すれば自立できますが、ペットは飼い主がいないと生きていけません。だから飼う前に、ペットと自分の寿命をよく考える必要があります」

 老人ホームへの入居や、介護、入院などで飼育が困難になることもある。飼い主の都合でペットを不幸にしないために、どんな準備ができるのか。NPO法人「人と動物の共生センター」理事長の奥田順之氏が解説する。

 「最近は保健所も、殺処分を避けるため簡単には引き取ってくれません。まずは身近な家族、親族の中で万が一のときペットをどうするか、相談をしておきましょう」

 ただ、子供のマンションがペット不可であるなど、身近に引き取り手がいない場合もある。孫がアレルギーを持っていることだってあるだろう。

 その場合、自分が亡くなったら、ペットを里親に出すよう子供に頼んでおくという選択肢もある。ただ、長年連れ添ったペットを里親に出そうとすると、すでに手遅れである場合も多い。前出の友森氏が語る。

 「10歳を超えたら、里親は絶望的です。歳をとった犬や猫は、残された寿命も短く、認知症になっていることもある。

 病気の場合の治療費や介護費用もかかります。新しい飼い主が見つからず、動物愛護センターや、愛護団体のシェルターで亡くなることが多いです」

 一緒に老いを経験してきたワンちゃん、猫ちゃんの居場所として増えているのが、老犬・老猫ホームだ。「東京ペットホーム」の渡部帝氏が語る。

 「老犬・老猫ホームでは、飼い主に代わりペットのお世話をします。老人ホーム同様、入居費用と年ごとの飼養費がかかります。

 小型犬であれば、入居に約20万〜30万円、飼養費は年間40万〜60万円程度かかります。その分、個室を用意する、1匹ずつ健康管理をするなど、行き届いたサービスができます。

 さらに飼い主の希望に沿い、介護や延命医療を受けることもできます。面会も可能で、最後は、提携するペット霊園に入るまで面倒を見ます」

 '13年に約20施設しかなかった老犬・老猫ホームも、'17年には約120施設まで増加した。頼れる家族がない人は、自分が生きているうちに、愛するペットを老犬・老猫ホームに入れる決断をしたほうがいいかもしれない。

 ただし「もぐり」の施設や、悪質な「引き取り屋」には注意が必要だ。

 「老犬・老猫ホームは簡単に作ることができてしまう。スタッフ一人あたりの飼育頭数が約50頭なんてところもあり、まともに散歩もできません。

 預けたきり面会することもできない『引き取り屋』も悪質です。衛生観念がなく、糞が堆積しているとか、病気を放置している、などの問題は耳にします」(渡部氏)

 子供が、遺されたペットを、こうした劣悪な環境の施設に入れる可能性もある。その前に、自分で信頼できる施設を見つけておくとよいだろう。

12/29(土) 11:00配信 現代ビジネス
「遺されたペット」が不幸にならないためにあなたができること
Photo by iStock
ペットにおカネを遺す
 人に託すにせよ、老犬・老猫ホームに入れるにせよ、ペットが暮らしていくのにかかるおカネの用意も忘れてはいけない。ではどれくらいのおカネを、どうやって遺せばいいのか。「ファミリーアニマル支援協会」の行政書士、服部薫氏が解説する。

 「家族ならまだしも、知り合いなどにペットを託す場合は、おカネを遺しておいたほうがいいでしょう。ペットの平均寿命を考えて飼育費用を計算しておくのです。

 また、自分が亡くなった場合に、ペットを託す施設など決めておけば、費用の見通しがはっきりします」

 さらに、おカネの遺し方にもコツがある。活用できるのはペット信託だ。

 「飼い主さんが亡くなっても、ペットは生命保険を受け取れません。ペットのための信託契約は、あらかじめ用意しておいたおカネをペットのために残す仕組みです。

 飼い主が元気なうちに、飼育費を管理する人と、個人間で契約を結びます。家族、親族、友人などに頼むことが多いです」

 それでも、遺されたペットのために、本当におカネが使われるか不安な人もいるかもしれない。その場合は、信託監督人をつけることができる。

 「契約書を作成した専門家が信託監督人になります。また、公正証書にするとより安心です。専門性が高いため、ペット信託に詳しい行政書士や弁護士に相談しましょう」(服部氏)

 子供のように大切なワンちゃん、猫ちゃんの生涯のために、手を尽くしておくのが愛情というものだ。

 「週刊現代」2018年12月1日号より

週刊現代
posted by しっぽ@にゅうす at 07:52 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする