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未来の飼い主と子猫が触れ合える「猫のロンパールーム」が献身的な活動を続けている。昨年11月、大阪市東成区にオープン。大阪市獣医師会とペット用品販売会社「PEPPY(ペピイ)」が共同運営しているもので譲渡施設としては日本初の試みだ。2015年から始まった「子猫リレー事業」の一環として、猫を飼いたい人と健気な猫との心温まる出会いの場となっている。
【写真】恥ずかしがりやの葵クンは物陰に隠れがち!?
住宅型有料老人ホーム「ペピイ・ハッピープレイス」は60歳以上でペットと暮らしたい人の入居を目的に今年4月にオープン。動物看護師が365日常駐し、動物病院もあるなど、全国初のペット共生型の施設でもある。「猫のロンパールーム」はその建物1階の商業施設「ペピイカフェ」内にあり、小庭を挟んで「わんわんサロン」もある。
ロンパールームとはご存じの通り“こどもの遊び部屋”という意味。スタッフで動物看護師の金森わかなさん(29)の案内のもと、手洗い、消毒をして施設の中に入ると、北欧風の絵本をイメージした室内は天井が高く、キャットウォークやステップなどが設置してあった。
ここでは、猫を譲り受けたい人は元気に遊ぶ猫を見て、触れて、相性を確かめることができる。実際に子猫にすりすりされると、情がわき、思わず飼いたくなってしまった。
これらの取り組みは大阪市「子猫リレー事業」の一環で、年間1000匹近い野良猫の殺処分を減らそうと始まったもの。まず、大阪市動物管理センターで保護された子猫は健康状態を確認後に獣医師会会員病院に預けられ、猫エイズと白血病の検査、ワクチン接種などを受け、生後3カ月まで育てられる。
「この間はトイレのしつけや離乳、社会化など一番大切な時期」と金森さん。その後は「キトンシッター」と呼ばれる51歳以上のボランティアが6カ月まで育て、原則40代以下の若い世代の人にバトンを渡す流れだ。その間に避妊手術も施される。
金森さんは「ワクチンなどは協賛企業のおかげで無償なので初期費用が少なくて済む。若い飼い主さんにとっては優しいのでは」と話す。また子猫たちの世話は隣接する「大阪ペピイ動物看護専門学校」の学生たちも担い、上階の老人ホームで暮らす入居者も希望すれば、キトンシッターになることもできる。
4月現在、ここでは5匹の猫が未来の飼い主を待っている。鼻の模様が特徴のレドちゃん(メス1歳)は甘えん坊。葵(オス2歳)は恥ずかしがり屋だが、毛並みが抜群でピンと立った長いしっぽが印象的だ。陸(オス3歳)は大好きな日向ぼっこをしながら里親を待っている様子だった。この機会に現地を訪ね、子猫リレーのバトンを受け取ってはいかがだろう。(まいどなニュース特約・山本智行)
▼猫のロンパールーム
住所 大阪市東成区中道3−8−21 ペピイ・ハッピープレイスTAMATSUKURI 1Fペピイカフェ内
電話 0120(113)022
営業時間 月、木曜の10:00〜17:00、入場料600円