動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年05月21日

猫を拾って連れ帰り飼育 法的には「物」になるので窃盗扱いに?

livedoornews



公園で飼い猫とみられる猫を拾って飼った場合、法的に問題があるのだろうか
猫は法的には「物」のため、この場合は「遺失物」という扱いになる
そのまま飼ってしまうと所有権侵害や窃盗罪などにあたる可能性もあるという
拾った猫をそのまま飼ったらどうなる?|『ねこの法律とお金』
2019年5月18日 21時0分 サライ.jp
文/鈴木拓也


いまや一千万匹に届くかという、日本の飼い猫。犬よりも飼いやすいということで、シニアにも人気の高いペットであることは周知のとおり。

飼育が楽というイメージがある猫だが、近隣家庭や獣医師とのトラブルリスクなど、「法律的にどうなのだろう?」と考える機会が意外と多い。そして、飼い猫が関係してくる法律は実は結構ある。
そうした、猫がかかわる法律を解説した書籍が『ねこの法律とお金』だ。

本書には、飼い始めから最期の看取りまで、猫の一生を想定して起こりうる様々な問題に対し、法的な観点でどう解決をはかるかを、弁護士の著者がわかりやすく説明している。具体的には、どういった内容が盛り込まれているのだろうか。いくつかをピックアップして紹介しよう。

■猫を拾ったらどこに届ける?
公園にいた猫を拾ったが、人慣れしていてどうも飼い猫のようだ。この場合、法的にはどう対処すべきか。

本書では、(いくら家族同様に思っていても)猫は法的には「物」だという。つまり、誰かの飼い猫を拾った場合、猫は「遺失物」という扱いになる。そして、拾った人は「拾得者」、元の飼い主は「遺失者」となる。

遺失物を取り扱う遺失物法では、「拾得者は速やかに遺失者に返還するか、警察署長に届けなければならない」と、著者の渋谷寛弁護士は説く。もしも、可愛いからとそのまま飼ってしまうとどうなるか。

飼い主がいる猫を飼うことは所有権の侵害にあたるものとされ、民法上は所有権侵害に基づく返還要求が可能となり、損害賠償を求められる可能性もあります。また飼い主がいると知りながら飼育しようとする行為は、刑法の窃盗罪や占有離脱物横領罪に問われるおそれもあります。(本書32pより)

拾得者への渋谷弁護士のアドバイスは、もちろん「飼い主を探して返すのが最良の方法です」。では、どうやって探すのかといえば、これも遺失物法にしたがい、警察署に猫を届けるのが原則。ただ、警察には猫を保管する施設がないため、動物愛護センターに引き渡す仕組みになっている。拾得者が直接、動物愛護センターに持っていってもよいという。

そして、結局遺失者が現れないまま3か月経ったら、拾得者はその猫の所有権を得ることが可能となる。つまり、新たな飼い主になれるわけだ。

■野良を地域猫にするには?
近所の空き地に数匹の痩せた野良がいて、見かねてエサをやることがある。他の住民もエサをやっているようで、地域猫にできないかとひらめくが、どうすればいいか。

このケースについては、まず、「地域猫」には法律上の定義はないと、渋谷弁護士は言う。ただし、環境省が「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」において、「地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫」と規定していると指摘。同ガイドラインでは、地域猫に関わる「活動」についても規定があり、それについて渋谷弁護士は以下のように解説している。

活動は、地域住民のボランティアを中心にグループや組織をつくり、趣旨に賛同する住民と活動のノウハウをもつボランティア団体などとともに行われます。さらに各自治体が協力して普及啓発に努め、活動資金の助成やガイドラインの普及などに努めます。(中略)具体的な活動は、決められた場所での給餌・給水や排泄物の処理と周辺の掃除、さらに、猫の繁殖制限措置をとり、ワクチン接種や健康管理、飼い主探しまでと広範囲に及びます。(本書69pより)

そして、地域猫活動に興味を持った際の最初の一歩は、最寄りの市町村やボランティア団体に問い合わせることだとしている。個人で勝手に始めるのはご法度だ。

■猫が手術中に死亡して医療ミスの疑いが
健康だった猫に避妊手術を受けさせたところ、手術中に死亡してしまった。医療ミスではないかと疑うが、法律的にどのような対応が可能だろうか。

この場合、「協力してくれる別の獣医師や弁護士などの存在が欠かせない」と、渋谷弁護士は述べる。手術を担当した獣医師に「注意義務違反」があったかどうかを検討する必要があるからだ。

もしも原因が獣医師の診療や手術によるものだと説明できる場合、それが一般的な獣医師の医療行為のレベルに比べて、劣っているかどうかを考えます。これが「注意義務違反があったかどうかを問う」ことになります。(本書90pより)

過去の判例では、獣医師の過失を認めた例と否定した例の両方があるそうで、医療過誤であることを認めさせるには、相当の因果関係があることを立証する必要がある。認めた場合は、損害賠償請求となり、慰謝料が支払われる。

*  *  *

本書ではこのほか、災害時は猫を避難所に連れて行けるか、離婚したら猫の養育費はもらえるかなど、痒い所に手が届く情報が多数盛り込まれている。愛猫家なら、もしもの場合に備えて書棚に加えておきたい1冊だ。

【今日の猫との暮らしを良くする1冊】
『ねこの法律とお金』

https://www.kosaido-pub.co.jp/book/post_2543.html

(渋谷寛著、本体1,500円+税、廣済堂出版)
posted by しっぽ@にゅうす at 09:07 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする