動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年06月13日

小さな命救って 保護犬猫と新しい飼い主つなぐ 滋賀・動物保護管理センター

Yahoo! JAPAN


滋賀県動物保護管理センター(同県湖南市岩根)に保護された犬や猫が、新たな飼い主に譲渡されるケースが増えてきている。全国で「殺処分ゼロ」の機運が高まる中、譲渡に向けた定期的な講習会の開催などで、小さな命が救われる機会は増えてきている。ただ、引き取り手が見つからなかった犬と猫は安楽死処分される現実もあり、同センターは「動物をかわいいと思うだけでは、飼い主は務まらない。命を預かる責任を持ってほしい」と訴える。

【眠たくなっちゃった…かわいい保護猫の写真】

 今月2日、同センターで開かれた「動物愛護のつどい」。動物とのふれあいコーナーやセンターから巣立った犬と猫の里帰り交流会などに約200人が参加した。家族で来た大阪市の奥野景子さん(37)は「少しでも多くの人にセンターの活動を知ってもらい、保護される犬や猫を減らしていってほしい」。湖南市立水戸小1年、筒井美里さん(6)は母親と一緒に犬と遊びながら「ぬいぐるみみたいでかわいい。まだ飼えないけれど、その時はしっかり面倒をみる」と笑顔を見せた。

 同センターでは、野良犬や捨て猫のほか、引っ越しや飼い主の高齢化などを理由に、飼うことができなくなった「放棄犬・猫」も有償で引き取っている。迷い犬や猫は、飼い主が分かれば返還されることもあるが、登録制度のある犬は年100匹以上返還されることもある半面、制度のない猫は年数匹と極めてまれなのが現状だ。

 同センターがまとめた2018年度の収容状況によると、犬は放棄60匹、野良犬や迷い犬など245匹の計305匹を収容。うち元の飼い主に返還されたのは91匹、新しい飼い主への譲渡は112匹で、残り102匹は安楽死や病死など致死処分されている。一方、猫は放棄164匹、野良猫449匹の計613匹を収容し、返還は1匹、譲渡は159匹、致死処分は453匹だった。

 過去10年で比較すると、2009年度は収容した犬892匹のうち525匹、猫は1458匹のうち1392匹が致死処分された半面、譲渡されたのは犬が222匹、猫が65匹にとどまっていた。譲渡率の推移をみると、犬は09年度の24.9%から18年度は36.7%に、猫は4.5%から25.9%まで増えており、特に猫の譲渡率の伸びが目立つ。

 同センターは「不妊手術の広まりや、飼い主のモラル向上が要因。最近は不妊手術を施し地域全体で猫を見守る『地域猫』の活動も増え、子猫の収容数も減っている」と分析する。飼い犬や猫にマイクロチップを埋めて個体情報を登録する活動も広まりつつあり、迷い犬の返還率も上がっているという。

 同センターの一番大きな役割は、新しい飼い主との出合いを促進することだ。「あの子、かわいい」と一方的に犬や猫を気に入っただけでは譲渡せず、飼い主との相性や居住環境などを審査し、譲渡前には必ず約1時間の「飼い方講習会」への参加を義務づける。譲渡された犬や猫には、不妊手術の助成制度も紹介している。

 とはいえ、今も安楽死処分はゼロではない。同センター内の管理棟には犬や猫を同時に処分する施設があるが、処分数が減った今は1匹ずつ安楽死処分をしており、5年ほど前から使われてはいない。ただ、死体を焼却する2基の炉は今も使われ、片隅にあるバケツには犬や猫の骨が積まれる。これらの施設は希望すれば誰でも自由に見学でき、同センターは「つらい現実を目にすることで、動物との正しい関わり方や命の大切さを知ってもらいたい」と話す。

 県動物保護管理協会の柴山隆史理事長は「『ペットは家族』という言葉を、その通りの意味で考えてほしい。飼うことで生活が制限されることもしっかり理解し、ペットが死ぬ最期の時まで家族であり続ける覚悟を持ってもらいたい」と訴える。獣医師でもあり、不幸な最期を迎えた多くの犬や猫を見てきた、柴山さんの願いだ。

    ◇    ◇

 7月7日午後1時半からは、愛犬家、愛猫家のプロミュージシャンが自らの体験を話しながら演奏するチャリティージャズコンサートを同センターで開催。入場無料。問い合わせは同センター(0748・75・1911)。【礒野健一】
posted by しっぽ@にゅうす at 09:43 | 行政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする