動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年07月17日

【数字から見えるちば】70歳以上の世帯主が飼育する犬・猫の数が全国7位

Yahoo! JAPAN



■高齢化に伴い増え続ける見込み

 □ちばぎん総研主任研究員・薄井聡

 ペットブームの裏で、犬や猫が子を産み過ぎて家屋が犬猫であふれ、飼い主や近隣住民の生活環境が悪化する「多頭飼育崩壊」が社会問題化している。環境省の多頭飼育対策に関する検討会の資料をみると、多頭飼育崩壊を起こした飼い主の4分の3は高齢者である。また、保健所に引き取られるペットは、飼い主の自立が難しくなり施設への入居を余儀なくされたり、飼い主が亡くなったりするケースが少なくない。このようにペット問題と飼い主の高齢化には一定の関係がある。

 平成30年の一般社団法人ペットフード協会調査によると、70歳以上の世帯主のうち犬を飼っている世帯の比率は10・0%(全年齢層では12・6%)、猫を飼っている世帯の比率は7・5%(同9・8%)でここ数年安定している。この比率が変わらないとすれば、今後は高齢者世帯の増加に伴って、高齢者が飼育する犬・猫の数も増える筋合いにあり、ペット問題が今よりも深刻化するのは避けられない。

 ちなみに千葉県内では、70歳以上の世帯主によって飼育されている犬は27年時点で8・3万頭、猫は7・7万匹(ともに全国7位)だが、団塊世代が75歳以上(後期高齢者)に達する令和7年には、犬が10・2万頭、猫が10・8万匹となり、10年間で犬がプラス1・9万頭(プラス23%)、猫がプラス3・1万匹(プラス40%)増加すると試算される。

 先月、改正動物愛護法が成立し、犬猫を販売できる時期が生後49日超から56日超へと繰り延べされることとなり、かわいさからの衝動買いが減少する効果が期待されているが、高齢者とペットの問題への対策としては、加齢してもペットの寿命の最後まで飼育責任を果たせるかの覚悟を問い、また体調悪化の際には万一に備えて次の飼い主を決めておくような啓発が必要だ。

 一部の自治体やペットショップでは、高齢者がペットを飼う場合の注意事項を、ホームページや窓口・店頭で発信しているが、こうした取り組みの強化が求められる。

 また、高齢者による多頭飼育問題を防止するためには、避妊・去勢手術などの早期対応が重要となる。猫は生後6カ月程度で繁殖可能になるので、1匹の雌猫が1年間で20匹以上に増えることがある。

 高齢者にかかるペット問題は、自治体では福祉部署が最初に認知するケースが多いが、担当者にそうした知識がなければ、後々事態の収拾に手間取ることになりかねない。庁内環境部署やペット譲渡仲介に取り組む動物愛護団体などと初期段階から協力して対処することが肝要だ。

 高齢化は自治体の社会保障政策や財政事情に影響を及ぼすほか、高齢者ドライバーによる交通事故の急増も問題となっているが、ペットについても、問題が深刻化する前に官民が連携して対策を講じる必要がある。(寄稿、随時掲載)
posted by しっぽ@にゅうす at 09:11 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする