動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年09月07日

「地域猫」と共存共栄を図るには? 人とペットの赤い糸

Yahoo! JAPAN



【人とペットの赤い糸】

 好き嫌いを含め、猫に対してさまざまな考えを持っている人たちがいると思う。しかし、命ある猫がすぐに殺処分されても良いと思っている人はほとんどいないはずである。

 地域猫とは、飼い主がいない猫を地域住民が共同でケア、管理することで、人と猫が共生できるようにした猫のことである。地域猫活動は、地域住民やボランティアの方々が、不幸な猫をなくすことを目標にした活動だ。

 公益財団法人日本動物愛護協会の計算によると、1組のオスとメスの野良猫を放置すると、3年後には約2000頭に増えることになる。

 主な地域猫活動の一つが、野良猫の繁殖を防ぐために行うTNRである。Trap(捕獲・保護)、Neuter(不妊去勢手術)、Return/Release(元の場所に返還)の略である。自治体によっては手術のために助成金の援助や捕獲器を貸し出すところもある。

 TNRよりもさらに進んだ活動がTNTA活動だ。最後のTAは、Tame(人に慣らす)、Adopt(譲渡する)ところまでフォローすることであるが、こちらは明確に効果があるとされている。

 不妊去勢手術を受けた猫は、野良猫で手術されていない猫と区別がつくように、耳先に小さくV字の切り込みを入れて手術済みであることを示す。桜の花びらにも似ているので、「さくら猫」とも呼ばれている。殺処分の対象になることを防ぐ印にもなる。

 他にもさまざまな活動がある。公衆衛生と健康管理の面から、フードは時間を決めて与え、後片付けをしっかりと行う。フードを置いたままにすると、他の地域から猫が侵入してくる。

 トイレはフードを与える場所の近くに確保し、猫の糞(ふん)尿処理をきちんと行うことも大切だ。人畜共通感染症への対策も必要となる。猫が民家の庭に入り、排泄(はいせつ)などの行動により、盆栽や花などに被害を与えないように、また、飼い猫に危害を加えないように、生活圏を守る活動も大切だ。

 地域猫の活動によって、殺処分や苦情が減り、地域住民の結びつきが深まったとの報告もある。しかしながら、活動の賛成派と反対派の意見統一ができないまま活動を開始し対立したケースもある。事前に十分な話し合いをして、地域猫と共存共栄する方法を見つけ出し、合意することが大切だ。

 人は昔からさまざまな種類の動物と共存共栄を図ってきた。地域猫は、近隣住民とのコミュニケーションの潤滑油ともなり、高齢者の生活のハリに繋がり、子供たちの情操教育にも役立つ。

 筆者もこれまでの経験から、野良猫をできるだけ家に迎え入れることを薦めたい。そうすることで、感染症や交通事故から猫を守ってあげることができる。

 ペットフード協会の調査データでは、外猫を内猫にすることにより、寿命も2・34歳延びる。有効な地域猫活動から、地域猫と共存共栄を図り、人とペットの赤い糸につながることを期待したい。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。
posted by しっぽ@にゅうす at 08:00 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする