動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年09月21日

現代社会にふさわしい「動物譲渡」のあり方 人とペットの赤い糸


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 【人とペットの赤い糸】

 東京都大田区山王に先月29日、動物の命を守り、動物と暮らし、新たな幸せを人に提供するNPO法人SPA(動物の命を守る施設)が誕生した。施設は山王ココ商店街の通りに面しており、通行人も足を止め、内部の様子が分かる素晴らしい立地にある。

 開設して間もないが、代表の齋藤鷹一氏に、開設の思いや現在および将来の運営についてお話を伺った。動物の保護・譲渡活動を中心に、動物との触れ合いや命の大切さを知ってもらうことを目的に社会貢献活動ができ、動物保護・譲渡に関して世界基準の施設をつくりたいとの思いで開設したとのこと。

 開設の理由は大きく2つある。1つは、現在さまざまな施設で行われている譲渡に、システムアプリやデジタルを導入するようにしたこと。2つ目はペット霊園を運営していたときに、ペットロスになられた方々が多くいたので、ペットロスになる前に再度ペットと暮らしてもらいたいとの強い思いからだ。

 言い換えると、ペットが亡くなり、葬儀で終わるのではなく、「葬儀からゆりかごへの流れ」を実現したかったのだそうだ。

 施設に関しては以下の10の特徴がある。

 (1)清潔感にあふれ、空気清浄機はもちろん、ケージ内にも換気口を設けている。

 (2)幸せに暮らす人とペットを常に増やすことを考えている。

 (3)動物の保護に関しては、保健所に連れて行く前に動物を保護することを基本としている。

 (4)何らかの理由で動物と暮らすことができなくなった場合は飼い主とよく話し合い、一律3万円で動物を保護している。

 (5)保護すると同時にできるだけ早く新たな飼い主に譲渡するようにしている。正式譲渡は既に4頭決まっているが、現在、先住犬・先住猫との相性がどうかのトライアルを2頭、2家族に出している。

 (6)譲渡の流れは、まず施設内で家族に迎えたい犬・猫と対面してもらい、カウンセリングを受け、正式譲渡が決まる。来店が難しい場合は、フェースタイムやスカイプによる遠隔カウンセリングを行い、その後、施設の担当者がご自宅に伺うか、お客さまに来店いただくことにしている。

 (7)譲渡費用は犬・猫の場合、諸費用を含めて一律6万円と定めている。

 (8)年齢による制限は設けず、高齢者にもQOL(生活の質)を高めてもらうことを目的に、動物と暮らすことを推進している。この場合は、ペット信託など、負担にならないような提言やフォローをきめ細かく行っているので安心だ。

 (9)施設内で人と動物の共生に関してのビデオを見ることができ、心が温まる。

 (10)保護と譲渡に関する契約書は別々に、動物愛護・福祉に詳しい弁護士に相談の上で作成しており、しっかりした内容になっていた。

 筆者も今まで国内外の動物保護施設を訪問しているが、小さいながらも素晴らしい理念の下で新たな動物の保護・譲渡施設が開設されたことはうれしい限りである。齋藤代表は年内にもう1店舗つくりたいとのことで、一般飼い主への教育にも力を入れていきたいと抱負を語った。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。
posted by しっぽ@にゅうす at 07:20 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする