動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年10月19日

動物との触れ合いが患者さんに笑顔 「アニマルセラピー活動」の普及を

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【人とペットの赤い糸】

 今月14日、東京大学一条ホールで日本動物病院協会(JAHA)の年次大会があった。JAHAは1978年に創立され、86年から獣医師とボランティアの方々がCAPP(人と動物のふれあい活動)をさまざまな施設で行っているが、事故や感染症は1回も起こっていない。86年度から2019年度までの延べ訪問活動数は、高齢者施設1万2849回▽医療施設4704回▽児童関係施設867回、心身障がい者(児)施設3037回▽催しなど99回−となっている。

 活動に参加した人と動物の延べ数は、獣医師2万8920人▽ボランティア16万1692人▽犬12万2033頭▽猫2万3685頭▽その他の動物(ウサギ、モルモットなど)7676頭−となっている。

 年次大会での市民公開講座プログラムの中で、千葉県がんセンターでのアニマルセラピー活動が、同センター看護局総務担当、上加世田豊美副看護局長から紹介された。同センターは日本で3番目のがんセンターとして1972年に開設。がん患者への標準治療、先進的治療、緩和医療を組み合わせた質の高いがん医療を提供しており、現在は新たな治療法の開発を目指し、研究に取り組んでいる。都道府県がん診療連携拠点病院としてがん対策の中心的役割を担っており、がんゲノム拠点病院である。

 基本理念は、「心と体にやさしく希望の持てるがん医療を提供する」となっている。そのため、(1)安全で最適な医療を提供する(2)患者さんに分かりやすく説明し、患者さんの自己決定権を尊重する(3)新しい医療の研究開発を行い、高度先進的な医療を目指す(4)誠実で思いやりの心を持つ医療者を育成する−という基本方針がある。

 この基本理念の下、90年にボランティア活動を導入。12年1月にアニマルセラピーを初めて開催した。このときは犬3頭と患者さんによるふれあい活動が待合室で実施され、患者さんから感謝の言葉が異口同音に聞かれた。

 現在は病室の中にも動物が入れるようになっており、動物と触れ合えることで患者さんやご家族に笑顔が出て、大変好評なのは勿論のこと、医療従事者も癒やされ、関係者の幸せホルモン(=オキシトシン)が上昇していると思われるとのことだった。今年度は7月までに23回開催。1回当たり、JAHAやボランティアの方々約6〜18人が犬3〜8頭、猫2〜3頭とともに来訪し、対象になる患者さんやご家族は45〜123人だという。

 同センターでアニマルセラピーが継続できているのは、(1)ボランティア活動を90年から受け入れており、外部活動に抵抗がない(2)JAHAに千葉県こども病院での活動実績があり、スムーズに受け入れられた(3)病院の理念にかなった活動である−という3つの理由がある。

 同病院だけでなく、さまざまな施設から感謝されているCAPP活動だが、JAHAの獣医師の先生方とボランティアの皆様の長年にわたるご尽力に改めて敬意を表したい。欧米の多くの病院で動物介在療法が実施されていることを考慮すると、日本でも近い将来、最低10%以上の病院で動物介在療法が行われる日が来ることを望みたい。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。
posted by しっぽ@にゅうす at 07:34 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする