動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年12月29日

飼い主孤立、ごみ屋敷に猫30匹 深刻「多頭飼育崩壊」

Yahoo! JAPAN




ペットの猫などが増えすぎて適切に飼えなくなる「多頭(たとう)飼育崩壊」が問題になっている。飼い主は親戚や地域の付き合いが薄く、社会的に孤立している傾向にあり、家はごみ屋敷になっていることが多い。ふん害など、近隣住民の生活環境問題としても深刻で、ボランティアや行政は対応に苦慮している。(藤森恵一郎)

【写真】兵庫県内で今年確認された多頭飼育崩壊の主な事例

 7月上旬、兵庫県丹波市。ボランティア団体「One for Mee@丹波」が、1人暮らしの高齢男性宅で飼われていた猫22匹を保護した。男性が倒れて入院したため、2週間近く餌を与えられていなかった。逃げた猫も含めると、約30匹はいたとみられる。

 代表の足立真紀さん(44)らが男性の許可を得て家に入ると、足の踏み場もないほどごみがたまり、大雨による浸水のためか、床は一部が抜け落ちていた。

 「近所付き合いもなかったようで、寂しさもあったのでは」と足立さん。「表面化していないだけで、他にも似たようなケースはあるはず」と懸念する。

 現に、今年だけでも西宮、川西、明石市などで同様の事例が確認されている。神戸市動物管理センターでは、飼い主から一度に猫10匹以上を引き取った事例が、2016年度=2件▽17年度=3件▽18年度=3件▽19年度(11月末現在)=1件−あった。

    ◇   ◇

 多頭飼育崩壊を防ぐために不可欠なのが、不妊手術だ。メス猫は生後4〜12カ月で出産できるようになり、年に2〜4回、1回につき4〜8匹の子猫を産む。公益財団法人どうぶつ基金(芦屋市)の佐上邦久理事長(59)は「複数飼うなら全ての猫に一気に不妊手術をすることが重要。先延ばしにすればどんどん増える」という。

 しかし、費用は1匹あたり1万5千〜4万円。多頭飼育崩壊を引き起こす飼い主には経済的に困窮している人が目立つが、行政は飼い主責任が第一義だとして費用の助成には慎重だ。

 まずは多くのペットを安易に飼わないようにするため、大阪府や京都市などは条例で、猫を10匹以上飼育する場合などに届け出を義務付けている。

 ただ、兵庫県動物愛護センター(尼崎市)は「2匹でもきちんと飼えていない飼い主もおり、(義務化の)線引きが難しい」と説明。「飼い主責任や不妊手術を受けさせることの啓発に力を入れたい」としている。

■貧困背景、福祉と連携し対応

 ペットが増えすぎて飼えない問題は、飼い主の社会的孤立や経済的困窮などの要因が背景にある。このため、動物愛護の関係者だけで対応するのではなく、社会福祉分野と連携する動きが加速している。

 明石市は8月、あかし動物センターを事務局として、市の福祉部局や民生・児童委員、獣医師会などで構成する「人と動物の共生によるまちづくり連絡会」を立ち上げた。

 メンバーに入っているボランティア団体「動物と共生するまちづくりの会」代表の村岡真澄さん(60)は「ケースワーカーらが多頭飼育に関する知識を持っていれば、連絡を取り合って素早く対応できる」と期待する。

 尼崎市動物愛護センターも現在、福祉部局とともに施策を検討している。

 環境省は今年、不適正な多頭飼育について、社会福祉分野と連携した対応策を専門家が議論する検討会を設置。2020年度のガイドライン策定を目指している。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:12 | 行政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする