動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2020年01月18日

譲渡に年齢制限設けている施設もあるが… 高齢者がペットと暮らす効用 人とペットの赤い糸

Yahoo! JAPAN


【人とペットの赤い糸】

 日本におけるペットの保護施設によっては、60歳以上の方にはペットを譲渡しない年齢制限を設けているところがある。

 昨年7月30日に厚生労働省が発表した2018年の日本人の平均寿命は女性が87・32歳(世界第2位)、男性が81・25歳(同3位)だった。女性は6年連続、男性は7年連続で過去最高を更新。男女共に、3大疾患(がん、心疾患、脳血管疾患)による死亡率が改善した影響と見られている。

 ちなみに人の健康寿命は平均寿命よりも女性で約マイナス12歳、男性で約マイナス9歳となっているので、健康でペットが世話をできる年齢は、女性で約75歳、男性で約72歳ということになる。

 現在の猫と犬の平均寿命は、それぞれ15・03歳、14・44歳となっている。ペットの平均寿命を60歳にプラスすると、猫で75・03歳、犬では74・44歳ということになる。従って、保護施設では60歳からでは一生にわたってペットの世話ができないと判断しているようだ。

 しかしながら、60歳になった高齢者の平均余命は、女性が約29年、男性が約24年もあるので、女性は約89歳、男性は約84歳生存することができる計算だ。また、70歳になっても女性が約20年、男性は約16年の平均余命があるので、女性は約90歳、男性は約86歳生きることができる。健康寿命を考慮したとしても、犬や猫を一生に渡って、責任を持って世話をすることができるとみるべきだろう。

 さらに、米ロサンゼルスのアニマルシェルターでは高齢者がペットと暮らす効用を次のような10項目にして積極的に発信している。

 (1)ペットと暮らしていない人と比べて血圧が低く、ペットに話しかける人は血圧の降下作用が認められた(2)犬を世話する人は、そうでない人と比較して医者にかかる回数が21%減少した(3)ペットと暮らす人は鬱病にかかるリスクが減る(4)ペットの話をすることで、友人が多くできやすい(5)ペットを散歩に連れて行ったりと、より活動的になる(6)ペットを良き友としてみなす(7)ペットの存在が夫や妻を失ったストレスを軽減する(8)寂しさを減少する(9)ペットをケアすることで、自分自身の体も大切にする(10)信頼しているペットがいることで、日常生活において安心・安全の感情が芽生える−というものだ。

 以上のような項目にプラスして、(11)寝たきり高齢者が改善する(12)生活にメリハリがつき、リズムが生まれる(13)笑顔が増える(14)ペットとの触れ合いで人もペットも幸せホルモンであるオキシトシンが上昇する(15)高齢者がかかりやすい心疾患で入院した患者の退院後1年後の生存率は、ペットと暮らしていない人が71・8%だったのに対し、ペットと暮らしている人は94・3%と高かった−という点も忘れてはならないだろう。

 若い人であっても明日の命の保証はない。欧米のように年齢制限を設けず、積極的に高齢者がペットと暮らすことを支援・サポートしていくしくみやインフラを整備していくことが、人生100年時代における人とペットの共生のあり方ではないだろうか。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。
posted by しっぽ@にゅうす at 07:38 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする