動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2020年01月19日

「いのちに敬意」ライオン飼育終了へ アカゲザルも 京都市動物園「福祉向上」掲げ

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2023年に開園120年を迎える京都市動物園(左京区)は、20年度からおよそ10年間で新たに目指す姿と運営構想をまとめた。飼育する動物たちの「福祉向上」を初めて前面に掲げ、現在119種を数える動物を適正数にして、より良い環境で飼育するための管理計画も初めて盛り込んだ。「動物園の顔」として100年以上続けてきたライオンの飼育は、現在1頭だけいる国内最高齢の雄を最後にやめる。

 現在の「京都市動物園構想」は09年11月に策定された。新たな構想は、外部識者による6回の検討会議と、19年11、12月に寄せられたパブリックコメントで練られた。今後、市長と市議会に報告し、20年2月末に策定する。

 「動物の福祉向上」とは、飼育下の動物たちが心身共に健康で幸福な生活を送れるよう最大限努める考え方で、近年、動物園や水族館などで導入が進む。

 京都市動物園もかつてはゾウやチンパンジーなどに芸をさせたり、鳥類を小さなかごで飼ったりしていたが、飼育員や獣医師たちがより良い飼育を探究。13年には京都大と連携して研究機関を設置し、動物の福祉を専門とする研究員が加わり工夫を重ねてきた。

 片山博昭園長は「この10年で、日本の動物園でも動物の福祉が当たり前になった。今後は組織として取り組んでいきたい」と話す。新構想を象徴する園の「理念」にも「ヒトを含む全ての動物のいのちと暮らしに敬意を持って向き合う」との一文を盛り込んだ。園の長い歴史で初めて理念を明文化したという。

 1903年の開園時に約60種だった飼育動物は70年代に250種を超え、79年には最多の304種を数えた(うち186種は鳥類)。他の動物園に比べて「飼育面積が狭すぎる」との批判は絶えず、2009年には約160種に。その後も減らしてきた。

 新構想では「なぜ維持が難しいかを市民に理解してもらいたい」と飼育種の管理計画を初めて盛り込み、福祉の向上や繁殖実績などから優先順位をつけ、アジアゾウやニシゴリラなど計5種を「最優占種」とした。

 他方、飼育を終了する「調整種」としたのは、ライオンの他にアカゲザル、朝鮮半島のカモシカと呼ばれるオナガゴーラルと、鳥類2種の計5種。

 ライオンは1907年から原則、雌雄のペアで飼育してきたが、本来は群れで暮らす。新しく群れを導入できるスペースの確保は困難と判断した。2017年1月に雌が死んで以降、1頭で暮らす雄の「ナイル」は国内最高齢記録を更新中で、20年3月9日で26歳となる。

 アカゲザルは1970年代に飼育を始めて以降、「サル島」で暮らす姿が親しまれてきたが、他の動物園がすでに飼育をやめたため雄の入れ替えができずに高齢化。現在いる16頭を最後とし、老朽化した37年築のサル島や69年築の類人猿舎は取り壊して、別のサルの居住スペースを広げる。オナガゴーラルはすでに国内で飼育される最後の1頭という。

 196人から寄せられた計305件のパブリックコメントには「ライオンは動物園の顔というべき動物で、入場者数にも影響を及ぼす」「サル山(島)が閉鎖されるのもとても寂しい」との意見があり、検討会議の委員からも「サル島で親子の対話を持った市民は少なくない。そうした対話ができる場を作り、反対意見に応えるべきだ」との指摘があった。【南陽子】
posted by しっぽ@にゅうす at 01:00 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする