動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2020年01月25日

人とペット「共生社会」のために子供の教育強化を


Yahoo! JAPAN



【人とペットの赤い糸】

 日本で学校飼育動物が年々減少していると同時に、動物のことを教える教師が激減していることは、人とペットの共生社会の実現に向けての最大の懸念材料だ。

 また、日本では悪徳ブリーダーのペットの不適切な取り扱いや、殺処分ゼロ運動の重要性が頻繁に報道される傾向がある。もちろん改善すべきではあるのだが、悪徳ブリーダーや殺処分をゼロにすることが最終目標だろうか?

 今年は東京五輪・パラリンピックが開催される。スポーツの素晴らしさや魅力が大々的に報道されている。子供たちもそれらの報道や実際の競技に刺激を受け、将来は五輪の選手になることを夢見ることだろう。

 現在のペット関連産業の場合はどうだろうか? 人とペットの素晴らしい関係性や、QOL(生活の質)を高められるといったペットとの暮らしの重要性などが欧米に比べてまだまだ発信されていない。子供を育てる場合に、褒める方がやる気を引き出して良い結果が出ると報告されているが、同様に人とペットの共生によるメリットや正しい知識を普及することが大切ではないだろうか。

 海外での飼育環境を実際観察せずに、他人の発言や誤った広報(例えば欧米には殺処分はない、ペットショップでは生体を販売していないなど)を信じているケースも少なくない。

 日本の獣医師の中には、海外の学会に参加し、シェルターやティアハイム、高齢者がペットと暮らしている施設を視察されている先生方も多く、筆者もご一緒させていただく機会があった。そのような先生方や視察されたボランティアの方々は動物介在教育、動物介在療法、動物介在活動を積極的に行っている。

 小学校の先生方が直接そのような施設を視察することが望まれるが、その実現には時間がかかると思われる。飼育頭数や飼育率が減少している日本では、視察された獣医師の先生方による「人の健康、動物の健康、環境の保全のワンヘルスという考え方」に関する講演活動を提唱したい。それには、ペット関連、獣医療関連の企業などが講演を支援するシステムを確立することが大切だ。「教育」が素晴らしい産業を確固たるものとすることにつながるだろう。

 欧米では、教室にペットを連れてきて、生態の説明やペットの果たす役割、人との共生による効用などを教える授業がある。ストレスのかかる試験期間中には、校内で動物と触れ合う時間を設定し、生徒や学生の気分転換を図ったり、ストレスを軽減したり、動物との触れ合いの大切さを教えている学校もある。

 ワンヘルスを積極的に提唱している獣医師の先生方を中心に、学校や各地で子供たちに教える取り組みをされることを提案したい。産業界が大々的に獣医師の先生や専門家を支援して、子供たちへの教育や動物との触れ合い活動を行えば、人とペットの共生社会の実現に結びつくことだろう。

 子供たちの情操教育に動物の果たす役割が大きいことを知らしめるとともに、人とペットの共生社会を担う人材を令和の時代に多く輩出する教育システムを確立したいものである。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。
posted by しっぽ@にゅうす at 07:39 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする