アロマテラピーとは、香りを用いてリラクセーション効果などをもたらす民間療法の1つだ。人間だけでなく、猫にとってもプラスの効果があるというが、使う際には注意が必要だ。今回は猫と“香り”の関係について解説します。
植物から抽出した香り成分の精油(アロマオイル)などを使って、心身の治療を行うアロマテラピー。
最近では、“アニマルアロマテラピー”として、動物の治療にも取り入れられている。東京・表参道にあるアニマル・ケアサロン フローラの医院長・中桐由貴さんによると、アニマルアロマテラピーの役割には、大きく次の2点があげられるという。
【1】イギリス式の精油の香りによるリラクセーションを目的としたもの。
【2】フランス式の精油の成分を化学分析して治療の補助に使うメディカルアロマテラピー。
「アニマルアロマテラピーで期待できるのは、自律神経の安定です。香りの情報が鼻から入り、自律神経系を司る視床下部に伝わると、内分泌系や免疫系の機能が整い、ストレスなどによる不調の改善につながります」(中桐さん・以下同)
猫もストレスが原因で不調に陥ることがよくある。心身共にリラックスできる香りで満たされた環境は、猫の健康にも効果が期待できるようだ。
リラクセーションを目的としたアロマテラピーの場合、体内に入る精油の成分濃度は0.02〜2%。一方、病気の予防や治療として使う場合は10%以上と濃度が高いため、専門家の指導が必要。
アニマルアロマテラピーには、治癒力を引き出す効果もあるという。
「私のサロンでは、精油を、かゆみや外傷などの皮膚症状をはじめ、咳などの呼吸器系の症状、痛みの緩和などにも活用しています」
さまざまな効能が期待できる精油だが、猫の前では取り扱いに注意が必要だという。
「雑食である人間や犬と、肉食の猫では、代謝の仕組みが違います。植物成分を分解する能力が猫は低いんです」
精油の成分が体内に入っても分解しやすい人間や犬と違い、猫は分解しづらいため、大量に体内に入ると、吐き気や下痢などの中毒症状をはじめ、ふらつきや興奮などの神経症状、かゆみや痛みの症状などが出るという。
「香りを楽しむくらいなら、精油の量も微量なので問題ありませんが、マッサージ用になどと、素人判断で高濃度の精油を猫の体につけるのは危険です。必ず、獣医師やアニマルアロマテラピーに詳しい専門家の指導を受けて正しく使いましょう」
癒しのアイテムで病気をさせてしまったら元も子もない。精油も“薬”だと思って、用法用量を正しく守ろう。
※女性セブン2020年3月12日号