非常用袋の保管場所にも注意したい
東日本大震災から9年が経ちます。また、ここ数年は甚大な被害をもたらした大型台風など、さまざまな自然災害に見舞われています。避難に備え、防災グッズや非常袋を用意しているという方も多いと思いますが、猫を飼っている人の中には、どんなものを用意しておけば良いか心配に思っている人も。「猫を飼っている人が揃えたい防災グッズ」について、2回に分けてご紹介。2回目は「あると便利なもの、普段から備えておくこと」についてです。
【画像】猫と避難する時に気をつけること ケージに慣れさせるコツ
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非常袋は1か所に置かず、優先順位別に家の数か所に置いておくことがポイント。また、せっかく用意してもいざ必要な時に「どこにしまったっけ?」とならないよう、収納場所を家族で共有しておきましょう。
・玄関……
最優先の持ち出し品は玄関がおすすめ。壁面フックなどを使って掛けておくとすぐに持ち出せます。また玄関に物を置きすぎると、いざという時にどれを持ち出せばいいのか混乱したり、避難の妨げになることも。玄関の整理は普段から心掛けたいですね。
・クローゼット、押し入れ……
クローゼットや押し入れの場合は、取り出しやすい手前側に置いてお良いでしょう。普段使うものではないのでつい奥底にしまい込みたくなりますが、手前に置いておくといざという時に慌てません。
・屋外倉庫……
屋外に倉庫がある人はそちらに置いておくのもおすすめ。家が崩壊してしまっても取リ出せます。すぐに持ち出さなくてもいい避難用大型ケージなどがある場合は、こちらに置いておくといいでしょう。ただし、フードは高温や湿気に弱いので屋内がベスト。
・自家用車……
屋外倉庫同様、家が崩壊してしまっても取り出せます。ただキー自体がなければ取り出すことができないので注意が必要。
大切な愛猫のために 知っておきたい防災対策 非常袋を備える場所は?
ケージ入る猫。非常用グッズとの持ち出し後のこともあらかじめ考えておくと良い(写真はイメージ)【写真:写真AC】
猫と非常用グッズを持ち出す時のポイント
猫と非常用グッズを同時に持ち出すことは簡単ではありません。少しでもスムーズに運べるよう、両手はなるべくフリーにしておきましょう。背負えるものは背負い、斜め掛けできないバッグはあらかじめショルダーベルトを装着しておくなどの工夫をすると、いざという時に役立ちます。
「避難時に家族がいた場合には誰が何を運ぶか」といった担当も決めておくのをおすすめします。特に多頭飼いの場合は手分けが必要です。逆に、自分1人だった場合のことも考え「どれをどう運ぶか」など、さまざまなシチュエーションを想定しておくことも大切です。
ついあれこれ持ちだしたくなりますが、実際に運べる量は限られています。目安として持ち出す荷物の重さは、女性が10kg、男性は15kg以内にしておきましょう。もちろん、猫の体重とキャリーバッグの重さも入れて計算してください。
普段からできる工夫と避難時に代用できるもの
スムーズに避難するために、普段からできる工夫はたくさんあります。まずは猫をケージに慣れさせておくこと。日ごろから身近に置いておき、自由に出入りさせておくのがポイントです。また猫が脱走した時のことを考え、「マイクロチップ」を埋め込んで置いたり、名前・去勢有無・飼い主の情報などが記された「ネームタグ」をつけておくのも良いでしょう。
徒歩で避難する時のルートの確認も大切です。焦らず安全に避難するためにも、避難所までのルートをいくつかシミュレーションしておきましょう。
生活に必要なものすべてを持ち出すことは難しく、避難時は他のもので代用する必要があります。例えば、猫用のトイレはダンボールにゴミ袋を敷き、土や砂を敷き詰めたり、新聞紙を細く切り裂いて入れ込んでも良いでしょう。フード皿や水皿は地味ではありますが、必ず必要なもの。ペットボトル・牛乳パック・新聞紙・紙があれば作ることができます。ペットボトルは側面を切り取ることで、牛乳パックは縦半分に切ることでお皿・水皿の代わりになります。
猫ねこ部