動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2020年03月13日

外飼いのネコが殺している野生動物は北米だけで年間300億匹、「ネコは屋内で飼って」と専門家

GIGAZINE


2019年に発表された研究により、オーストラリアのネコが希少な野生動物を絶滅の危機に追いやっていることが判明しています。今回新たに発表された、1000匹近いネコにGPS装置を装着させた大規模な実験結果から、ネコが世界中の野生動物の脅威となっていることが判明しました。このことから、研究者は「ネコを屋内で飼うこと」を推奨しています。

The small home ranges and large local ecological impacts of pet cats
(PDFファイル)https://drive.google.com/file/d/1HZ0wmjhQEIK361kLc7eGZTFKuorteIOZ

Keeping Cats Indoors Could Blunt Adverse Effects to Wildlife | NC State News
https://news.ncsu.edu/2020/03/domestic-cat-effects/

Should you let your cat go outside? GPS study reveals the deadly consequences
https://www.inverse.com/science/should-you-let-your-cat-go-outside-gps-study-reveals-deadly-consequences

Cats have a 'catastrophic impact' on local wildlife when allowed to roam free | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-8100023/Cats-catastrophic-impact-local-wildlife-allowed-roam-free.html

ノースカロライナ州立大学とノースカロライナ自然科学博物館の研究チームは、アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなど世界6カ国に住む合計925匹の外飼いのネコにGPS装置を装着させ、ネコの行動範囲を調べました。その結果、ネコのほとんどは飼われている家から半径100mの範囲で行動していることが分かりました。

以下はGPSでの追跡結果の一例で、左から行動範囲が1.6haとかなり狭い例であるアメリカの飼いネコ「カットニス・エヴァディーン」、行動範囲が16.2haと広い例であるイギリスの「ウォーフ」、行動範囲がそれぞれ4.3haと3.3haで平均的な例であるオーストラリアの「バグジー」とニュージーランドの「テオ」です。概して、若いネコや田舎に住むネコは行動範囲が広い傾向にあったとのこと。


また、飼い主からの報告を集計した結果、ネコはネズミなどの獲物を月に平均3.5匹とってくることが分かりました。ネコが必ずしも獲物を持って帰るわけではないことを前提に、研究チームが獲物の数とネコの行動範囲から「ネコが野生動物にもたらす生態学的影響」をネズミに換算して推定したところ、「ペットとしてのネコ1匹が1年の間に野生動物に与える影響は、1ha当たりネズミ14.2〜38.9匹相当」だという結果になりました。


比較対象として算定された、体重5kgの野生捕食者の影響力が16.9匹相当、体重が4kgのジャングルキャットの影響力が8.1匹相当だということを踏まえると、ペットとして飼われているネコが生態系に及ぼす影響がいかに大きいかが分かります。

ノースカロライナ自然科学博物館の動物学者ローランド・ケイズ氏は「イエネコが野生動物に与える影響は、同じ体格の野生の捕食者に比べて2〜10倍も大きいことが分かりました。これは特筆に値します」と話しました。

総数だけ見れば年間4000匹以上ものネズミを狩っているジャングルキャットに比べて、ネコは年間50匹程度しか殺していないので、野生の捕食者に比べたら大した影響ではないように思えます。しかし、ネコは普通の野生の捕食者に比べて行動範囲が狭いため、その範囲に生息する野生動物への影響がとても大きいのだとのこと。


ネコが野生動物にもたらす影響についてケイズ氏は、「飼いネコはキャットフードを食べているので、野生の捕食者と比べると獲物はごく少数です。しかし、彼らの行動範囲は非常に狭いため、その影響は狭い範囲に集中します。しかも、飼いネコは人間と共に特定の地域に密集して生活しているので、各個体が生態系に与える影響も増幅されてしまい、鳥のひなや小動物などに与える影響も大きなものとなります」と指摘しました。

ケイズ氏は「ネコが殺している野生動物は、北米だけで年間100〜300億匹にのぼると推定されています。この問題の最も簡単な解決策は『ネコを家から出さない』ことです」とコメント。また、論文共著者のロブ・ダン氏は「人間は自然環境がさまざまな生物であふれていることを望みますが、ネコを野外に出すことで無自覚にその望みを困難なものにしてしまっています」と述べて、ネコを外飼いすることの影響を強調しました。
posted by しっぽ@にゅうす at 08:11 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする