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2020年03月19日

危険な病気「猫伝染性腹膜炎(FIP)」を発症しやすい猫の傾向は? 獣医師が解説します!


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猫がかかりやすい病気のことは、飼い主さんならよく知っておきたいもの。この記事ではそんな病気の解説のほか、実際に体験した飼い主さんの「気になりながら聞けずにいた疑問」について重本先生が回答! 
今回は愛猫が「猫伝染性腹膜炎(FIP)」にかかる猫種やタイプについてご紹介します。

発症するとほぼ死に至る、不明な点が多い病気
「猫伝染性腹膜炎(FIP)」とは、感染によって猫が保有するコロナウイルスが、強い病原性のあるものに突然変異することによって発症する病気をいいます。病状には、2つのタイプが。異常行動やけいれんなどの神経症状が見られるドライタイプと、お腹や胸に水がたまる症状のウエットタイプに分かれます。また、どちらも共通して発熱が見られることがあります。

この病気は今のところ、発症原因や治療法が解明されていません。健康診断などで早期に発見できれば、出ている症状に合わせた治療をして延命できることもありますが、抗生物質や抗炎症薬などを投与しても、ほとんどの場合死に至る恐ろしい病気です。また、不明な点が多いため、効果的な予防法もはっきりわかっていません。せめて猫が極力ストレスを感じないよう、トイレや食事環境を整えたり、適度に運動をさせたりすることは、最低限の予防として行っておきましょう。

危険な病気「猫伝染性腹膜炎(FIP)」を発症しやすい猫の傾向は? 獣医師が解説します!
画像/ねこのきもち2020年2月号『猫の病気、そこが知りたい!』
FIPでこんな体験をしました――埼玉県 H・Nさん ムギちゃん(メス・享年6カ月/シンガプーラ)
ペットショップから迎えた愛猫。生後5カ月頃、目に見えて痩せてきたのが心配で受診すると、FIPのウエットタイプと診断されました。毎日頑張って薬を飲ませていましたが、診断から1カ月で亡くなりました。
ムギはもともと食が細い猫だったので最初は気にしていませんでしたが、フードを残すことが増え、痩せてきたため受診。結果FIPのウエットタイプだったのですが、レントゲン写真を見るまで、腹水には気付けませんでした。診断後は、1週間ほど投薬が続きました。しかし、ただでさえ食欲がなくなってきていたので、薬を飲み込ませるのが大変だったのを今でも覚えています。

FIPを発症して、やせ細ってしまったムギちゃん。下半身は一見健康体に見えますが、皮膚の下には腹水がたまっていたそうです


飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」
愛猫は純血種の子猫でしたが、FIPを発症しやすい猫の種類や生活環境など、傾向はあるのでしょうか? 

→猫種との関係は不明ですが、子猫はウエットタイプを発症しやすいです
FIP発症のカギとなるコロナウイルスは、感染した猫の排泄物などからうつるウイルスです。そのため、少しでもほかの猫と接する環境にいる(いた)若い猫なら、とくに感染・発症のリスクがあるといえます。また、遺伝で発症するかは今のところはっきりわかっていません。しかし症例を見ると、猫種ではベンガルに比較的多いようです。ちなみにFIPを発症した場合、その病状には年齢で傾向が。子猫にはウエットタイプが、成猫にはドライタイプが比較的多く見られるという説があります。

感染力が強いコロナウイルス。飼い主さんがウイルス混じりの猫のウンチを踏んで帰宅すると、その靴に愛猫が触れて感染する可能性も先生、ご回答いただきありがとうございました。
ご紹介した飼い主さんのエピソードは、あなたの愛猫に起こる可能性もあります。いざというときに思い出し、役立ててくださいね。


監修/重本 仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/2020年2月号『猫の病気、そこが知りたい!』
文/Monika
イラスト/上垣厚子
※この記事で使用している画像は2020年2月号『猫の病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。

ねこのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 09:03 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする