【那覇】殺処分される犬や猫を減らそうと、市環境衛生課では保護している犬猫を希望者に譲渡する取り組みを進めている。2019年度(3月24日時点)は犬20匹、猫16匹が譲渡された。市は「最後まで愛情を持って育ててほしい」と呼び掛けている。
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那覇市で収容された猫=16日、南風原町のエコマール那覇プラザ棟
関係者によると、以前は保健所などで捕獲された野生の犬猫は、収容期限を越えると殺処分されたこともあった。現在は繁殖防止の不妊去勢手術や各種ワクチンを接種した状態で衛生面に配慮し、新たな飼い主が見つかるまで収容する。受け入れ希望者は面談の後、1時間程度の譲渡前講習会を受講する。
獣医師の資格を持ち、同課で働く宇野浩史さん(29)は「収容されたペットたちが新たな飼い主に引き取られることにやりがいを感じる。取り組みを通じてペットをむやみに捨てないという市民の意識も向上したと思う」と話す。
一方で、飼い主が引き取りに来ない場合や連絡先が書かれたネームタグを付けていないペットが収容されるケースもあるという。
宇野さんは「ただ単にかわいいから、寂しいからとペットを迎え入れるのではなく、まずは飼うことができる環境にあるか確認してほしい。愛情をもって最後まで責任を持つことを心掛けてほしい」と呼び掛けた。犬や猫の譲渡、収容・保護情報については市環境衛生課ホームページで確認できる。問い合わせは同課・電話098(951)1530。(仲栄真宏通信員)