動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年10月12日

犬猫の殺処分0へ、宮本亜門さん「生体販売禁止」訴え

Yahoo! JAPAN


約450匹。これは平日に日本で殺処分される犬猫の数だ。人とペットはどのようにすれば共生できるのか。殺処分ゼロを目指すTOKYO ZEROキャンペーン呼びかけ人の宮本亜門さんは、「生体販売をやめてほしい」とペットショップに訴える。(聞き手・池田 真隆=オルタナS編集長)

――英国やドイツなどヨーロッパでは、ペットを飼うとき、ブリーダーや保護施設から引き取ることが一般的です。ですが、日本では生後間もない犬猫がペットショップで売られています。

日本はモノで溢れた便利な国ですが、使い捨てを繰り返す残念な先進国でもあります。使い捨てが当たり前になり、命あるペットも、まるでモノとして扱うようになってしまいました。

店頭で蛍光灯に照らされている犬の光景など、海外では見たことがありません。ペットショップの存在が悪いわけではなく、生体販売だけやめてほしいです。

ペットを手軽に購入できるようになるほど、大量に生産するようになります。その結果、大量破棄につながってしまう。先進国として大変恥ずべきことだと思います。「かわいい」からと、ノリで購入することを避けなければいけません。

――生体販売をなくして、ペットショップにはどのようなことを望みますか。

ペットショップに犬猫がいることは悪いことではないと思います。ただ売らないでほしい。保護施設に同じような犬がいますよとビデオか写真で見せてあげて、里親探しを手伝ってあげればいい。そして、ペットを飼うことの楽しさだけでなく、難しさも伝えてほしい。そうすれば、すごく素敵なペットショップができるはず。

震災や豪雨などの災害で被災犬も増えています。一匹でも殺されないために、蛇口の元から直していくことが大切です。

――宮本さんはこれまでに捨て犬や保護施設から引き取った犬を飼われています。

最初に飼ったのは、沖縄県で見つけた子犬でした。当時、映画「BEAT」の撮影中で、撮影隊と、人が行かないような崖に行ったとき、口を針金で結わえられて、カゴの上には石が置かれた状態で捨てられていた子犬がいたんです。

その子犬を引き取り、映画にちなんでビートと名付けました。慶応義塾大学でドッグ部を創設するほど犬好きだった父と育て、10歳で天国に旅立ちました。いまは、沖縄の保護施設から引き取った2代目ビートを飼っています。

どちらも沖縄で生まれたのですが、海で泳ぐことは苦手です。でも、ぼくがリフレッシュするために海に浮かんでいると、泳げないのに、流されていると思い込み、犬かきして必死に探しにきてくれます。

一度捨てられているからでしょうか。その目は、「もう捨てないで」と訴えているように思えました。

――TOKYO ZEROキャンペーンでは、東京オリンピック・パラリンピックが開催する2020年までに東京での犬猫の殺処分ゼロを目指しています。この目標を実現するために若者には何ができるでしょうか。

動物保護施設を訪問したとき、そこで働く職員が発した言葉が脳裏に焼き付いています。その人は、タバコを吸いながら一人うつむきながら休憩していて、近づくと、「本当はこんなことしたくないんだ」と胸の内を明かしてくれました。

保護施設が悪いわけでも、ペットショップの存在が悪いわけでもないと考えています。何度も言いますが、生体販売だけはやめてほしい。

若い人には殺処分の現場をちゃんと見て、その上でペットの飼い主になる意味を自分の頭で考えてほしいです。この日本のペット問題を変えていくために、若い人の意識変革が必要です。

ペットの飼い主が増えることは良いことです。どんどん飼ってほしい。ただ、ペットショップでは購入しないでほしいと切に願います。

TOKYO ZEROキャンペーンでは、東京を動物福祉先進都市にするために3つの取り組みを行っている。

一つは、「8週齢規制」の早期実現。生後8週間(56日)にも満たない子犬が平然と売られているが、幼すぎる子犬を生まれた環境から引き離すと、精神的外傷を負う可能性が高い。無駄ぼえや無駄がみなどの問題行動を起こしやすくなり、飼い主の飼育放棄へとつながってしまう。

二つ目は、動物愛護センターを「ティアハイム」的施設へすること。動物愛護センターに引き取られた犬猫は劣悪な環境で、殺処分までの時期を過ごすことが多いが、施設を改修し、一般の人が気軽に訪ねられる立地や建物に変えることを目指している。

最後の三つ目は、譲渡率の向上。2012年度の殺処分率は77.33%にも及び、現在も平日は一日で約450匹が殺処分されていることから、保護犬や保護猫と里親のマッチングを促進していく。

これら3つの取り組みを実現するために、オンラインでの署名活動を展開している。署名の提出先は、小池百合子・東京都知事や環境相。現在、10万人以上がこのキャンペーンに賛同している。


posted by しっぽ@にゅうす at 08:08 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

犬猫の「引き取り屋」事件  動愛法違反での不起訴に疑問

Yahoo! JAPAN


栃木県矢板市内で犬猫の「引き取り屋」をしていた男性に対して7月27日、狂犬病予防法違反(未登録・予防注射の未接種)の罪で10万円の罰金を支払うよう、同県大田原簡裁が命じた。

【写真特集】日本の“今”を生きる猫たち

 繁殖能力が衰えたために繁殖業者から「不要」とされた犬猫や、ペットショップで売れ残り「不良在庫」となった子犬や子猫たちを、1匹あたり数万円をもらって引き取り、劣悪な環境で飼育しているとして、動物愛護団体に刑事告発された業者だ。一部テレビで報道されたこともあり、大きな話題になった。

 これで一件落着――と思いたいところだが、残念ながらそんなにいい話ではない。

犬猫の「引き取り屋」事件  動愛法違反での不起訴に疑問
劣悪な環境で飼育される猫
 もともとこの引き取り屋は、動物愛護団体が動物愛護法違反(虐待)と狂犬病予防法違反で告発し、栃木県警も両容疑で書類送検したものだ。逮捕された男性自身、「もう少し面倒を見るべきだった」などと容疑を認めていた。にもかかわらず同県大田原区検は、動物愛護法違反容疑については不起訴処分としていたのだ。

 告発にかかわった弁護士が検察に問い合わせると、不起訴とした理由について「被告発人(筆者注・引き取り屋の男性)の施設で健康状態が悪くなったのか、被告発人に引き渡された時点で罹患していたのかを立証することが困難と判断した」と説明したという。

 だがこの事件では、引き取り屋のもとから保護してきた19匹の犬猫について7人の獣医師が診断と治療をしたところ、やせこけていた状態から短期間で標準体重に戻り、皮膚病などの症状も回復が認められていた。つまり、適切な飼育管理をしていれば避けられる状態に陥っていたことが獣医学的に明らかになっており、最終的には7人の獣医師全員が「ネグレクトがあった」との診断書を提出していた。

 環境省幹部も、テレビ報道などでこの引き取り屋が大きくクローズアップされていた当時、「あの状況で飼うのは明らかに虐待。動愛法違反だ」と指摘。栃木県警も書類送検にあたり、飼育施設の清掃や汚物処理を十分に行わず、犬猫計15匹を皮膚病などに感染させた疑いがあるとしていた。

 告発した動物愛護団体「日本動物福祉協会」の調査員で、獣医師でもある町屋奈(まちや・ない)さんは「獣医師という専門家の意見が正当な理由もなく無視されたことが残念です」と嘆く。同協会は処分を不服として、8月31日に同県大田原検察審査会に審査を申し立てた。町屋さんはいう。

 「この事件のように、証拠から明らかに虐待と判明している事案についてまで不起訴処分とされるなら、動物愛護法の存在意義自体が否定されます。ネグレクトは長期間、動物に苦痛を与え続ける、残酷な行為。今回、改めて正しい判断がなされれば、同様の事件を未然に防げるようにもなる。そのためにも、法律をしっかりと運用してくれるよう強く望みます」

 検察が動物愛護法違反について不起訴としたことを問題視するネット署名も、始まった。9月15日現在、既に1万を超える署名が集まっているという。

 町屋獣医師がいうように動物愛護法を巡っては、繁殖業者やペット店など第1種動物取扱業者に対して、地方自治体などの行政機関が法律を適切に運用しようとしない事例が散見される。今回の引き取り屋については栃木県警が書類送検した後も、栃木県動物愛護指導センターはこの業者の第1種動物取扱業登録の更新を認めるなどしており、行政による業者の取り締まりが有名無実化している実態が改めて浮き彫りになった。その原因を、行政職員の多くが「動物愛護法には具体的な数値基準がないことが大きい」と指摘する。

 犬猫の飼育施設の大きさや虐待の定義について可能な限り数値規制を設けていくことを、環境省は迅速に検討すべきだろう。数値規制を設けることは確実に、行政による第1種動物取扱業者への監視・指導を容易にし、いまも虐待的環境で飼育されている犬猫たちを救い出すことにつながる。動物愛護法が適切に機能、運用されるために、環境省の対応を期待したい。

(太田匡彦)

sippo(朝日新聞社)


posted by しっぽ@にゅうす at 05:41 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月04日

禁止の道具"とらばさみ"歩道に タヌキ挟まれる 北海道北広島市

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北海道北広島市で8月31日、使用が禁止されている「とらばさみ」が仕掛けられているのが見つかりました。ほかにも仕掛けられている可能性があり、警察が注意を呼びかけています。

 鉄製のとらばさみに、左足を挟まれたタヌキ。

 31日夕方、近くにいた女性が北広島市中の沢の、道道の歩道で、「とらばさみ」に捕まったタヌキを見つけました。

 とらばさみは、法律で狩猟での使用が禁止されている道具で、人がけがをする恐れもあります。

 ほかにも仕掛けられている可能性があることから、警察が注意を呼び掛けています。

UHB 北海道文化放送

posted by しっぽ@にゅうす at 07:45 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月30日

ひどい!猫に熱湯かけ、バーナーであぶって死なせた動画を投稿 動物虐待容疑で税理士逮捕 警視庁

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猫に熱湯を掛けたりバーナーであぶったりするなどの虐待をして死なせたとして、警視庁保安課は動物愛護法違反の疑いで、さいたま市見沼区御蔵の税理士、大矢誠容疑者(52)を逮捕した。大矢容疑者は虐待の様子を動画で撮影し、インターネット上に投稿していたという。「猫は糞(ふん)尿が臭く、爪研ぎで壁を傷つける。有害動物の駆除であり、法律違反になるとは考えていない」などと容疑を一部否認しているという。

 逮捕容疑は平成28年4月〜29年4月、埼玉県深谷市の廃屋付近で、わなで捕獲するなどした猫3匹に熱湯を繰り返し浴びせたり、ガスバーナーであぶったりして死なせたとしている。

 同課によると、大矢容疑者は28年1月〜29年4月ごろ、少なくとも13匹のネコを同様に虐待して死なせたとみられる。撮影した動画は身元が特定されないよう公共の通信環境を利用して匿名の動画投稿サイトに投稿していた上、ネット匿名掲示板「2ちゃんねる」などに掲載をほのめかす書き込みをするなどしていた。


posted by しっぽ@にゅうす at 07:25 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

忍び寄る「狂犬病危機」 予防接種率20年で99%超→71%…油断禁物!?専門家「飼い主に責任」、台湾では半世紀ぶり感染

産経ニュース


飼い犬の狂犬病予防接種率が、減少の一途をたどっている。平成5年には全国の登録犬の99%以上が接種していたが、26年には71%まで減少した。ウイルスに感染した犬に噛まれて人間が発症すれば致死率はほぼ100%だが、国内では昭和31年を最後に犬の発症例がなく、危機意識の低下から予防接種を受けさせないケースが増えているという。隣の台湾では半世紀ぶりの感染も確認され、「過去の病気」と油断する日本にも危機が忍び寄っている。(大森貴弘)

「未登録犬」深刻

 「『狂犬病なんて日本では終わった病気でしょ』といわれることもしばしば。なかなか危機意識を持ってもらえないと感じる…」。狂犬病の予防対策に携わる大阪府職員は、犬の飼い主の現状をこう指摘する。

 厚生労働省によると、平成26年度、全国の市区町村に届け出のあった飼い犬662万匹のうち、予防接種を受けたのは474万匹で、接種率は71・6%。5年ごろまでは99%以上で推移していたが、8年に90%を下回り、以降急激に低下している。

府の担当者は「狂犬病への関心の低下に加え、小型犬を室内で飼う人が増え、外に出さないからと、予防接種の必要性を感じないのかもしれない」と分析する。

ペットフード協会(東京)の調査によれば、26年度の国内の犬の飼育数は推計1034万6千匹で、登録数を372万匹も上回る。多くが未登録犬とみられ、こうした犬を含めれば接種率は50%を切っているのが実態だ。

撲滅された認識 

狂犬病は国内では半世紀以上発症が確認されず、撲滅されたとの認識が広まっている。だが、世界的には現在進行形の感染症であり、常に感染リスクにさらされている。

 実際、日本同様に半世紀以上発症がなかった台湾では平成25年、野生のアナグマへの感染が確認され、厚労省が国内の野生動物の調査に急遽乗り出したことがあった。幸い感染例は確認されなかったが、国内でも感染の危険が消えたわけではない。同省結核感染症課は「狂犬病は必ず死ぬ病気で、対岸の火事と座視していられない」と今後も調査を続ける方針だ。

 野生動物の狂犬病感染がたびたび確認されているロシアでは犬を「船の守り神」とあがめる習慣があり、北陸地方などではロシア漁船が犬を乗せて寄港するケースが後を絶たない。密輸などによって、感染した野生動物が国内に入ってくる可能性も否定できないという。

仮に野生動物を通じて国内にウイルスが入り込んだとしても、人と接触する可能性が高い飼い犬への感染を防げれば、人が罹患するリスクは大幅に減らせるだけに、予防接種率の向上が大きな課題になっている。

 狂犬病に詳しい岐阜大応用生物科学部の杉山誠教授(人獣共通感染症学)は「狂犬病は日本では忘れられた病気になっているが、海外から流入する可能性は捨てきれない。社会に安心を与えるため、飼い主には予防接種を済ませる責任があると自覚してほしいし、それが社会に欠かせない存在になった犬と共生する道だろう」と話している。

 狂犬病 狂犬病ウイルス性の人獣共通感染症。狂犬病ウイルスにかかった犬に噛まれるなどして唾液から感染、発症すると、精神錯乱などの症状を経て死に至る。有効な治療法はない。国内では昭和31年を最後に犬の発症例はないが、世界では年間5万人以上が死亡しているとされ、中国やインドでは毎年数千〜数万人単位で感染者が出ている。狂犬病予防法では、犬の所有者に市区町村への登録と、年1回の予防接種が義務づけられている。

posted by しっぽ@にゅうす at 06:58 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月16日

狂犬病ワクチン、「格安」広がる 獣医師会は反発、なぜ

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飼い犬への年1回の接種が義務づけられている狂犬病ワクチンをめぐって、獣医師がもめている。自治体からの委託で集団接種をしている獣医師会の設定料金に対して、獣医師会に所属しない獣医師が格安で実施。愛犬家にはうれしいことだが、獣医師会は「国民の健康を守るワクチンなのに、このままでは接種率が下がってしまう」と反発する。いったい何が起きているのか。

【写真】狂犬病ワクチンの集団接種に並ぶ飼い主ら=4月20日、東京都江東区の城東保健相談所

 本間獣医科医院(本院・静岡県磐田市)は今年、ホームセンターなど21都府県の305カ所で狂犬病のワクチン接種を行った。料金は1回2千円(税抜き)。獣医師会の設定料金より3割ほど安い。「消費者サイドに立って、安全なワクチン接種を適正な値段でやっている」

 こうした動きの広がりに対して、獣医師会からは「国民の健康のための事業で、ビジネス感覚でディスカウント(値下げ)が広く行われている」といった批判が出ている。

 狂犬病のワクチン接種は、狂犬病予防法で義務づけられている。飼い主は同法に基づいて自治体に犬を登録。自治体は毎年4〜6月に集団接種を行い、登録された犬の飼い主に接種を呼びかける。自治体が集団接種を委託するのが各地の獣医師会で、料金は1回3千円前後がほとんどだ。

 この料金設定は、自治体の了解のもとで決められる。獣医師会にとっては重要な収入源で、その一部は獣医師向けの狂犬病の講習会など公益事業にも使われる。収入が減ると獣医師会が弱体化し、自治体による集団接種の実施に悪影響が出る、というのが獣医師会側の主張だ。

 実際、獣医師会の組織率は低下している。日本獣医師会によると、2004年の組織率は約88%だったが、14年は約69%に落ちている。

 一方で、獣医師会に所属していない獣医師らは、「集団接種ではなく、ホームセンターなど身近な場所で行えば、利便性が高く、飼い主は接種しやすくなる」と主張する。こんなデータがある。神戸市で11年に接種を受けた約5万9千匹のうち、約1万9千匹は獣医師会に所属していない獣医師が実施したという。

朝日新聞社

posted by しっぽ@にゅうす at 07:35 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

狂犬病、最後の感染報告から60年 予防注射の義務ない国も

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国内で最後の感染が報告されてから今年で60年が経つ狂犬病。狂犬病予防法では飼い犬の登録や年1回の予防注射が義務づけられているが、実は日本以外の狂犬病清浄国・地域(狂犬病の封じ込めに成功した国・地域)の大半は予防注射を義務づけていない。狂犬病予防はどうあるべきなのか。

【写真特集】純真無垢な子犬たち

 輸出入検疫を管轄する農林水産相が指定する日本以外の清浄国・地域は現在、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの六つ。いずれも予防注射を一律に義務づけているところはない。

 1988年から発生報告がない香港では義務づけられているが、予防注射の頻度は3年に1度でいい。日本では有効期間1年のワクチンしか認可されていないが、世界的には3年有効のワクチンが主流だからだ。

 日本では50年に狂犬病予防法が施行された当初、年2回の予防注射が義務づけられていた。その後、犬や人への感染は急激に減少し、57年に猫で感染が見られたのを最後に国内での感染は報告されていない。このため85年に法改正が行われ、予防注射は年1回に「規制緩和」され、現在に至る。

 海外からの侵入リスクに対しては、高いレベルの検疫制度で対応している。清浄国・地域以外から日本に犬猫を入国させるには、180日前までに2回の狂犬病予防注射をしたうえで、抗体価が十分に得られているかどうかの検査などをする必要がある。

衝撃的な論文発表
そんな中、今年1月、衝撃的な論文が発表された。

 現行の日本の検疫制度が守られている限り、狂犬病の国内への侵入は「4万9444年に1回」。仮に検疫制度に違反して入国させた犬猫が20%いたとしても、侵入リスクは「249年に1回」。従って、日本では狂犬病予防注射の義務づけは必要ない、という内容だった。

 東大大学院の杉浦勝明教授(獣医疫学)らの研究班が発表した。これまでの研究によると、万が一侵入を許したとして、予防注射が義務づけられていない状況だったとしても、最大で9・3匹の犬に感染するところまでしか広がらず、人間に感染する前に封じ込めることが可能だという。

 一方、狂犬病予防注射について自治体や飼い主などが負担する年間総コストは約180億円にのぼる。杉浦教授は、「日本で狂犬病の予防注射を義務づける必要はない。清浄国では、輸入の際の検疫の徹底と、仮に侵入を許した場合の早期発見、防疫対応こそが有効だ」と指摘する。

 予防注射義務づけの撤廃や、義務づけは維持しつつ3年に1度へのさらなる「規制緩和」などが、獣医師らの間で話題に上るようになっている。こうした状況のなか、杉浦教授らの研究は厚生労働省の補助金で実施された。

 厚労省結核感染症課は「大きなインパクトのある研究結果だ。一つの研究をもってすぐに判断はできないが、今後の狂犬病予防対策の参考にしていきたいと考えている」としている。

sippo(朝日新聞社)


posted by しっぽ@にゅうす at 07:38 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする