動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年08月18日

忍び寄る「狂犬病危機」 予防接種率20年で99%超→71%…油断禁物!?専門家「飼い主に責任」、台湾では半世紀ぶり感染

産経ニュース


飼い犬の狂犬病予防接種率が、減少の一途をたどっている。平成5年には全国の登録犬の99%以上が接種していたが、26年には71%まで減少した。ウイルスに感染した犬に噛まれて人間が発症すれば致死率はほぼ100%だが、国内では昭和31年を最後に犬の発症例がなく、危機意識の低下から予防接種を受けさせないケースが増えているという。隣の台湾では半世紀ぶりの感染も確認され、「過去の病気」と油断する日本にも危機が忍び寄っている。(大森貴弘)

「未登録犬」深刻

 「『狂犬病なんて日本では終わった病気でしょ』といわれることもしばしば。なかなか危機意識を持ってもらえないと感じる…」。狂犬病の予防対策に携わる大阪府職員は、犬の飼い主の現状をこう指摘する。

 厚生労働省によると、平成26年度、全国の市区町村に届け出のあった飼い犬662万匹のうち、予防接種を受けたのは474万匹で、接種率は71・6%。5年ごろまでは99%以上で推移していたが、8年に90%を下回り、以降急激に低下している。

府の担当者は「狂犬病への関心の低下に加え、小型犬を室内で飼う人が増え、外に出さないからと、予防接種の必要性を感じないのかもしれない」と分析する。

ペットフード協会(東京)の調査によれば、26年度の国内の犬の飼育数は推計1034万6千匹で、登録数を372万匹も上回る。多くが未登録犬とみられ、こうした犬を含めれば接種率は50%を切っているのが実態だ。

撲滅された認識 

狂犬病は国内では半世紀以上発症が確認されず、撲滅されたとの認識が広まっている。だが、世界的には現在進行形の感染症であり、常に感染リスクにさらされている。

 実際、日本同様に半世紀以上発症がなかった台湾では平成25年、野生のアナグマへの感染が確認され、厚労省が国内の野生動物の調査に急遽乗り出したことがあった。幸い感染例は確認されなかったが、国内でも感染の危険が消えたわけではない。同省結核感染症課は「狂犬病は必ず死ぬ病気で、対岸の火事と座視していられない」と今後も調査を続ける方針だ。

 野生動物の狂犬病感染がたびたび確認されているロシアでは犬を「船の守り神」とあがめる習慣があり、北陸地方などではロシア漁船が犬を乗せて寄港するケースが後を絶たない。密輸などによって、感染した野生動物が国内に入ってくる可能性も否定できないという。

仮に野生動物を通じて国内にウイルスが入り込んだとしても、人と接触する可能性が高い飼い犬への感染を防げれば、人が罹患するリスクは大幅に減らせるだけに、予防接種率の向上が大きな課題になっている。

 狂犬病に詳しい岐阜大応用生物科学部の杉山誠教授(人獣共通感染症学)は「狂犬病は日本では忘れられた病気になっているが、海外から流入する可能性は捨てきれない。社会に安心を与えるため、飼い主には予防接種を済ませる責任があると自覚してほしいし、それが社会に欠かせない存在になった犬と共生する道だろう」と話している。

 狂犬病 狂犬病ウイルス性の人獣共通感染症。狂犬病ウイルスにかかった犬に噛まれるなどして唾液から感染、発症すると、精神錯乱などの症状を経て死に至る。有効な治療法はない。国内では昭和31年を最後に犬の発症例はないが、世界では年間5万人以上が死亡しているとされ、中国やインドでは毎年数千〜数万人単位で感染者が出ている。狂犬病予防法では、犬の所有者に市区町村への登録と、年1回の予防接種が義務づけられている。

posted by しっぽ@にゅうす at 06:58 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月16日

狂犬病ワクチン、「格安」広がる 獣医師会は反発、なぜ

Yahoo! JAPAN


飼い犬への年1回の接種が義務づけられている狂犬病ワクチンをめぐって、獣医師がもめている。自治体からの委託で集団接種をしている獣医師会の設定料金に対して、獣医師会に所属しない獣医師が格安で実施。愛犬家にはうれしいことだが、獣医師会は「国民の健康を守るワクチンなのに、このままでは接種率が下がってしまう」と反発する。いったい何が起きているのか。

【写真】狂犬病ワクチンの集団接種に並ぶ飼い主ら=4月20日、東京都江東区の城東保健相談所

 本間獣医科医院(本院・静岡県磐田市)は今年、ホームセンターなど21都府県の305カ所で狂犬病のワクチン接種を行った。料金は1回2千円(税抜き)。獣医師会の設定料金より3割ほど安い。「消費者サイドに立って、安全なワクチン接種を適正な値段でやっている」

 こうした動きの広がりに対して、獣医師会からは「国民の健康のための事業で、ビジネス感覚でディスカウント(値下げ)が広く行われている」といった批判が出ている。

 狂犬病のワクチン接種は、狂犬病予防法で義務づけられている。飼い主は同法に基づいて自治体に犬を登録。自治体は毎年4〜6月に集団接種を行い、登録された犬の飼い主に接種を呼びかける。自治体が集団接種を委託するのが各地の獣医師会で、料金は1回3千円前後がほとんどだ。

 この料金設定は、自治体の了解のもとで決められる。獣医師会にとっては重要な収入源で、その一部は獣医師向けの狂犬病の講習会など公益事業にも使われる。収入が減ると獣医師会が弱体化し、自治体による集団接種の実施に悪影響が出る、というのが獣医師会側の主張だ。

 実際、獣医師会の組織率は低下している。日本獣医師会によると、2004年の組織率は約88%だったが、14年は約69%に落ちている。

 一方で、獣医師会に所属していない獣医師らは、「集団接種ではなく、ホームセンターなど身近な場所で行えば、利便性が高く、飼い主は接種しやすくなる」と主張する。こんなデータがある。神戸市で11年に接種を受けた約5万9千匹のうち、約1万9千匹は獣医師会に所属していない獣医師が実施したという。

朝日新聞社

posted by しっぽ@にゅうす at 07:35 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

狂犬病、最後の感染報告から60年 予防注射の義務ない国も

Yahoo! JAPAN


国内で最後の感染が報告されてから今年で60年が経つ狂犬病。狂犬病予防法では飼い犬の登録や年1回の予防注射が義務づけられているが、実は日本以外の狂犬病清浄国・地域(狂犬病の封じ込めに成功した国・地域)の大半は予防注射を義務づけていない。狂犬病予防はどうあるべきなのか。

【写真特集】純真無垢な子犬たち

 輸出入検疫を管轄する農林水産相が指定する日本以外の清浄国・地域は現在、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの六つ。いずれも予防注射を一律に義務づけているところはない。

 1988年から発生報告がない香港では義務づけられているが、予防注射の頻度は3年に1度でいい。日本では有効期間1年のワクチンしか認可されていないが、世界的には3年有効のワクチンが主流だからだ。

 日本では50年に狂犬病予防法が施行された当初、年2回の予防注射が義務づけられていた。その後、犬や人への感染は急激に減少し、57年に猫で感染が見られたのを最後に国内での感染は報告されていない。このため85年に法改正が行われ、予防注射は年1回に「規制緩和」され、現在に至る。

 海外からの侵入リスクに対しては、高いレベルの検疫制度で対応している。清浄国・地域以外から日本に犬猫を入国させるには、180日前までに2回の狂犬病予防注射をしたうえで、抗体価が十分に得られているかどうかの検査などをする必要がある。

衝撃的な論文発表
そんな中、今年1月、衝撃的な論文が発表された。

 現行の日本の検疫制度が守られている限り、狂犬病の国内への侵入は「4万9444年に1回」。仮に検疫制度に違反して入国させた犬猫が20%いたとしても、侵入リスクは「249年に1回」。従って、日本では狂犬病予防注射の義務づけは必要ない、という内容だった。

 東大大学院の杉浦勝明教授(獣医疫学)らの研究班が発表した。これまでの研究によると、万が一侵入を許したとして、予防注射が義務づけられていない状況だったとしても、最大で9・3匹の犬に感染するところまでしか広がらず、人間に感染する前に封じ込めることが可能だという。

 一方、狂犬病予防注射について自治体や飼い主などが負担する年間総コストは約180億円にのぼる。杉浦教授は、「日本で狂犬病の予防注射を義務づける必要はない。清浄国では、輸入の際の検疫の徹底と、仮に侵入を許した場合の早期発見、防疫対応こそが有効だ」と指摘する。

 予防注射義務づけの撤廃や、義務づけは維持しつつ3年に1度へのさらなる「規制緩和」などが、獣医師らの間で話題に上るようになっている。こうした状況のなか、杉浦教授らの研究は厚生労働省の補助金で実施された。

 厚労省結核感染症課は「大きなインパクトのある研究結果だ。一つの研究をもってすぐに判断はできないが、今後の狂犬病予防対策の参考にしていきたいと考えている」としている。

sippo(朝日新聞社)


posted by しっぽ@にゅうす at 07:38 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月23日

切断された猫の頭部と足見つかる 滋賀・竜王町の公園

産経新聞


滋賀県警近江八幡署は22日、同県竜王町薬師の「県希望が丘文化公園」で切断された猫の頭部と足が見つかったと発表した。鋭利な刃物で切断されており、同署は動物愛護法違反容疑で調べている。

 同署によると、20日午後2時半ごろ、公園で除草作業をしていた男性(65)が植え込みの下で発見し、翌21日に同署に通報した。

 滋賀県内では9日に栗東市で、切断されて頭部と前脚のない猫の死骸が発見されたほか、6月末には草津市や長浜市でも切断された猫の死骸が見つかっており、県警は関連を調べている。


posted by しっぽ@にゅうす at 01:09 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月21日

「改正動物愛護法」って?愛犬家なら知っておきたいペットの命を守るための法律

ネタりか


動物愛護法ってなに?

子犬と子猫

「動物愛護法」は『愛護』と『管理』の目的から制定された法律です。

『愛護』動物の虐待を防止して命を大切にすること
『管理』飼育している動物が周囲に迷惑をかけないようにすること

昭和48年に制定されてから、平成11年、17年、24年に改正されてきました。

知っておいた方が良いかも、最新の動物愛護法の一部を紹介

カメラ目線の犬と猫

平成24年9月5日に議員立法による改正動物愛護管理法が公布され、平成25年9月1日より施工されているものが最新のものになります。
このときに改正された内容を一部紹介します。

犬や猫の販売は生後56日以降から

子犬や子猫が早い時期に母親や兄弟と引き離されてしまうと、社会化が出来ずに問題行動を起こしやすくなるということが指摘されています。そのため、改正動物愛護法では、子猫や子犬の販売・引き渡し・展示が生後56日を経過していないと出来ないようなりました。
しかし、条文では56日となっていますが、経過措置として施工後3年間は45日、それ以降は別に法律に定めるまでの間は49日とされています。
現在、科学的に検証されている親や兄弟との引き渡しによる弊害が起こりやすいとされているのが7週(49日)のためです。次の法改定までに専門家による検証が行われるとのことです。

犬や猫のインターネット販売での規制

インターネットによる犬や猫の生体販売のトラブルが急増してきた背景から規制が入りました。ネット販売が禁止になったわけではありませんが、必ず一度は購入者と販売者が直接会って、犬や猫の確認をする現物確認の義務、対面説明の義務が課せられました。
一度も直接会わないまま、インターネットで注文し、振り込みなどで支払いをし、空輸などで犬や猫の生体が送られてくるというのは違反行為となります。
これら現物確認と対面説明の義務は、販売者に課せられる義務となっています。

終生飼養の徹底

平成24年に改正された動物愛護法でいちばん大きな変更は、「終生飼養の徹底」が明文化されたことです。
この改正で、ペットの飼い主に対して「終生飼養するという責任」が明文化されました。
これは、動物取扱業者にも同様のことが求められます。販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されました。もしペットショップなどで売れ残った犬や猫は、譲渡先などを事前に届け出をすることが義務付けられました。
また、保健センターなどの行政は、持ち込まれた犬や猫が、終生飼養の原則に反する場合は「引き取りを拒否できる」と明記されました。

災害時の対応

東日本大震災でのペットの被害を受けて、災害時の条文も盛り込まれました。
具体的には、災害時における動物の適正な飼養および保管に関する施策を、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に記載することが義務付けられました。
飼い主は、前述した終生飼養の観点から、ペットとの同行避難などの準備を日ごろから行いましょう。

動物虐待罪の具体的な事例も例示

エサを与えないなどだけではなく、不衛生な環境で衰弱させたり、重い怪我や病気を治療せずに放置することも虐待罪に当たります。
動物をみだりに殺したり、傷つけたりする行為は殺傷罪となり、懲役2年の刑事罰となります。

罰則は2倍に強化

改正前と改正後で、動物愛護法の違反罰則は2倍に強化されました。
これにより、これまで警察が取り合ってくれなかったような事案も、罪が重くなることで取り締まりやすくなったといいます。

例えば、愛護動物の虐待や遺棄が、改正前は50万円以下の罰金だったのが、改正後は100万円以下の罰金に。愛護動物の殺傷は、改正前は1年以下の懲役または100万円以下の罰金だったのが、改正後は2年以下の懲役または200万円以下の罰金になりました。

動物愛護法:今後の課題

お手をする犬

平成24年に動物愛護法が改正された際に、重要事項でありながら立法化に至らなかったいくつかの事案が付帯決議とされました。

✔マイクロチップ装着を促進するための規格やデータベースの統一化
✔動物実験の扱い
✔ペットの埋葬業者に関する規制
✔野良猫や地域猫の対応

動物愛護法は、社会状況の変化に沿って5年おきに改正されることが決められています。次の改正は来年度です。

まとめ

犬の手と人の手

動物愛護法の精神は、動物を大切にするということだそう。
わんちゃんホンポの記事をお読みの方たちには、動物愛護法で定められている決まりはどれも当たり前のことかもしれません。
日本は動物愛護の点では後進国と言われていますが、社会の変化とともに少しずつペットにまつわる法律が充実してきており、さらなる発展に期待したいところです。
ちょうど今時期次の改正に向けてスタートを切る頃ではないでしょうか。来年度が次の改正予定です。


posted by しっぽ@にゅうす at 05:44 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月03日

無届けで複数の犬を飼う 狂犬病予防法違反疑い 68歳男を逮捕

NHK


埼玉県熊谷市で自治体に届け出ずに複数の犬を飼っていたなどとして、狂犬病予防法違反の疑いで68歳の男が警察に逮捕されました。男の飼い犬に小学生など5人がかまれてけがをしたということで、調べに対し「届け出が面倒だった」と供述しているということです。
逮捕されたのは埼玉県熊谷市の田口吉郎容疑者(68)で、警察によりますと市に届け出ずに3匹の犬を自宅で飼っていたなどとして、狂犬病予防法違反の疑いが持たれています。

これまでの調べで今月19日から20日にかけて通学途中の小学4年生の児童など合わせて5人が田口容疑者の飼い犬に足をかまれて軽いけがをしました。田口容疑者は自宅の敷地内で犬を放し飼いにしていて、たびたび近所とトラブルになっていたため、地元の保健所が改善するよう指導していましたが従わなかったということです。

調べに対し「届け出が面倒だった」と供述し、容疑を認めているということです。


posted by しっぽ@にゅうす at 07:41 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

糞尿の異臭ただよい、共食いするネコも…「多頭飼育崩壊」の壮絶現場

産経ニュース


多数の動物を劣悪な環境で飼育する「多頭飼育崩壊」の発生が後を絶たない中、動物愛護団体が、平成30年をめどに行われる動物愛護管理法の見直しに向け、裁判所による飼育禁止命令などを盛り込むよう働きかけを始めた。背景にあるのは、崩壊を起こす飼い主の特性や、同法に基づく行政介入の難しさだ。なかなか好転しない状況に、関係者は苦悩を深めている。(社会部 菅野真沙美)(※6月8日にアップされた記事を再掲載しています)

「金銭的、精神的に限界」

 「室内は糞(ふん)尿の臭いがこもり、壁や床の一部はシミがついて腐った状態。けがをして片方の前足を使えない状態の猫もいた」。猫の殺処分ゼロを目指し活動するNPO法人「ねこけん」(東京都練馬区)代表理事の溝上奈緒子さん(41)は、東京都葛飾区の一戸建てで、5月上旬に約50匹の猫を保護した際の様子をこう振り返る。

 飼い主の女性から「金銭的にも精神的にも飼い続けるのは限界」と要請があり出動。保護した猫は、ねこけんメンバーが動物病院へ運搬し不妊手術やワクチンを済ませた。飼い主は溝上さんに「子猫が別の猫に食べられる様子を見た」とも話していたという。

「救助型」「搾取型」などさまざま

 「多頭飼育崩壊を引き起こす飼い主は、そもそも自身が動物や周囲に対して悪影響を与えていると気付いていない場合も多い」。公益社団法人「日本動物福祉協会」(東京都品川区)で調査員を務める獣医師の町屋奈(ない)さん(43)は、飼育不可能な数の動物を集め、それを手放せない「アニマルホーダー」についてこう説明する。

 ホーダーは、殺処分への過剰反応などから始まる「救助型」▽物を衝動買いするように動物を収集する「搾取型」▽繁殖を目的にしていたが管理できなくなる「ブリーダー型」−などいくつかの種類に分類できる。動物を集めたり増やしたりする理由や方法は異なるが、いずれも無計画に動物を飼育し、適切な不妊手術などを行わないため、動物の数はネズミ算式に増加。特に救助型や搾取型では、外部の援助を拒否する傾向が強いという。

 猫の全国出張不妊手術などを行っている公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)理事長の佐上邦久さん(57)は、「多頭飼育崩壊に関する相談は、ここ数年で増加した」と話す。昨年3月21日に設置した専用の問い合わせフォームには、先月末までに全国から既に60件の相談が寄せられている。

環境省が都道府県、政令指定都市、中核市を対象に行った調査によると、18、19年度に発生した多頭飼育崩壊に関する苦情は1775件。苦情の内訳(複数回答)は「不衛生・悪臭」が1195件で最も多く、「逸走・徘徊(はいかい)」が660件、「鳴き声・騒音」が616件と続き、周辺の生活環境の悪化に関するものが多かった。佐上さんは「現在は被害がさらに拡大している可能性がある」と推測する。

法律見直しは「第一歩」

 町屋さんによると、海外では特に悪質なホーダーに対し、行政や動物愛護団体が飼育する動物を全て引き取ったり、裁判所が飼育禁止命令を出すなどの措置を行うことがある。一方、日本は「ペットはあくまでも飼い主が所有する物扱い」。現状の動物愛護管理法では、飼い主から所有権を主張されれば行政の介入は難しいという。

 ボランティアにも限界がある。ねこけんは多頭飼育崩壊などを防ぐため、飼い猫を含めた猫の不妊手術を無料で行うことができる「ねこけん動物病院」を設立し、ネット上で販売しているペット用品の売り上げなどを運営費に充てている。しかし、「私たちはあくまでもボランティアで強制はできない」と溝上さん。「飼い主が手術を受けなかったり、全頭引き取り後にまた新しく猫を飼ってしまえば根本的な解決にはならない」と苦悩をにじませた。

日本動物福祉協会などで構成する連絡会ではこうした現状を改善しようと、30年をめどに行われる同法の見直しに向け、海外と同様の飼育禁止命令や動物の緊急保護実施などを盛り込むようロビー活動を行っている。「法律見直しはあくまでも第一歩」と町屋さん。海外では多頭飼育崩壊を精神疾患の症状の一つと捉える考えもあり、研究が進められているとした上で、「再発を防ぐには、ホーダー、行政、ボランティアが連携し、ホーダーの心のケアを含めた対策が不可欠」と強調した。

posted by しっぽ@にゅうす at 07:38 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする